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262号 管理費等の時効に関する最高裁の判決に思う

4月23日に最高裁で滞納管理費等は5年で時効であると判断されました。これは東京高裁の判断(10年で時効)を変更するものであります。
5年と10年では何が違うためなのか、凡人のわれわれにはよくわからないところですが、実は民法167条の一般債権(時効10年)か169条の定期給付債権(時効5年)かの判断であります。

では、管理費や修繕積立金はどういう性格のものなのでしょうか。東京高裁は「毎月一定額を支払うものの、共用部分の管理の必要に応じて、総会決議により額が決定され、毎年要する経費の変化に応じて年単位で増額・減額等がされることが予定されており、年額が毎年一定となるものではない。」と判断して「一般債権」としており、最高裁は「管理規約の規定に基づいて、区分所有者に対して発生するものであり、その具体的な額は総会の決議によって確定し、月ごとに所定の方法で支払われるものである。」と判断して「定期金債権から派生する支分権」としています。

実際には私たちはどう見ているのでしょうか。例えば「管理費は、家賃のように一定額を賃料として支払うものと違って、年間に要する費用を予定費用として12ヶ月に分割して負担しているものであって、決算の結果不足すれば追徴し、余剰が生ずれば次年度に繰り越しており、家賃のように確定しているものとは性質が大きく相違している。」とみております。そうすれば東京高裁の判断が私たちの考えに合っているといえます。

つまり、最高裁の判断は新しい時代のマンション管理というシステムに対する理解に対応できず、古い法律によりその範疇での判断といえるのではないでしょうか。

また、修繕積立金を管理費と同時に扱うことは大変問題であります。長期間を要して将来の大修繕等に対応する計画を、時効という形で自らの財産の保全のための負担を逃れることは許されることではありません。一部の裁判官が補足意見で修繕積立金の性質にかんがみ短期消滅時効とするのは適切ではなく、なんらかの立法措置も検討すべきと述べていることに期待するところです。

いずれにしろ、管理組合にとってはインパクトのある最高裁判断として受け入れざる得ず、滞納には迅速に対応する措置を講ずるとともに悪質な滞納者には法的処理も視野に入れて当たらざるを得ない状況になってきたといえるのではないでしょうか。

(論説委員会)

 

 


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