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362号 命を守るための地震対策

建物の弱点を把握しよう

3.11の東日本大震災では仙台で、市の応急危険度判定は要注意であったが、余震による影響もあり、躯体等に致命的な損傷が明らかになり、損保会社から全損の鑑定を受けたマンションもある。エレベーター等の損壊も見られた。自マンションの弱点を把握し、管理組合主導で共用・専有部分について、命を守る諸方策の合意形成を図っていく必要がある。

一方、施工上の欠陥が明らかになり、施工会社に損害賠償を求める訴訟を起こした管理組合もいくつかある。これは、大きな地震がないと欠陥が明らかにならない建物を建て販売したということである。損壊した場合、それは地震によるという強弁を背景にしたもので許し難い。

自マンションの想定被害をイメージする

首都圏では直下型地震などにより震度6強以上の揺れが想定され、マンションに大きな被害をもたらす。自マンションではどうなるのかの被害想定が必要である。気象庁によると震度6強は、「建物は壁、梁、柱などの部材に、ひび割れ・亀裂が多くなる。壁のタイルや窓ガラスが破損、落下することもある。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。ドアが開かなくなることもある」としている。

建築基準法を遵守したマンションが倒壊するということは考えられず、命を脅かすのは住戸内でも起こる。阪神淡路大震災では、死者の80%が木造家屋の倒壊や家具の転倒による圧死だった。

理事会主導で家具等の固定をしっかりと

家具、テレビ、冷蔵庫などの転倒等による圧死やケガを防ぎたい。家具等を固定する際、棒状のものを天井と家具等に設置するものが普及しているが、震度6強以上の揺れにはほとんど役立たない。壁にアンカーボルト(ボルト)を打ち込み、ピアノ線等のワイヤーによって家具を固定したい。

壁内には電線が配線されている場合もあり、勝手にボルトを打ち込むのは止めたい。理事会が主導して合意形成を図り、リフォーム協定などに集約することで安心して固定でき、家具等の転倒を防ぐことができる。(論説委員会)


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