NPO日住協|特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会 > 271号 復旧と損害保険

論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

271号 復旧と損害保険

損害保険と復旧について

マンション火災復旧に、修繕積立金を充てることを考えている管理組合が少なくない。だが、標準管理規約は、修繕積立金の取り崩しできる要件を限定して規定している。その中には災害復旧のために取り崩しができると明確に規定していない。その他の場合でも管理に関する場合のみとしている。罹災建物等の復旧は、基本的に失火者を除く区分所有者全員がそれぞれ持分に応じて資金を拠出しなければならない。現金を出すか、火災保険契約をしている人はその保険から支払われる。個人で保険契約していても隣接以外の共用部分まで保険範囲にしていないのではなかろうか。ほとんどの人は住宅に接していない建物の共用部分まで保険の対象にしていないだろうと推測される。復旧は急を要するが復旧費の全額が完全に調達できなければ復旧に着手できない。そこで、緊急処置として、総会に諮って一時的に修繕積立金を流用することが認められたとしても、流用した金額は、計画修繕の支障にならないように、他の区分所有者全員から(失火者は免責?)臨時徴収して早急に補填しなければならない。早急かつ完全に復旧資金を調達するには、共用部分の復旧のために保険契約しておくのが有効である。

さて次のような問題もある。管理組合が個人賠償責任保険を一括して付保するという問題である。共用部分の管理のために徴収した管理費等を個人の賠償責任のための保険の保険料に当てることができるかということである。新築時のように区分所有者全員が合意して管理組合が契約するのを承認するというのならわかるが、全員が入居してかなりたってから総会の多数決議で、個人賠償責任保険を管理組合が一括して契約して、共用部分の管理以外の保険の保険料を払うのは問題がある。最近マンション総合保険なるものが売り出されているので、十分慎重に考えて、場合によっては一括保険の範囲から個人賠償責任保険部分を削除して、別途、組合が組合員に対して、水漏らしや火災等の時等の万一の事態への備えとして個人賠償責任保険(マンション・団地保険等)の必要性叉は有効性について積極的に呼びかけ、管理組合が契約をとりまとめてやる方法もあるだろう。


関連記事