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274号 管理会社は変わるべきだ

2年ほど前、公正取引委員会がマンション管理について調査した報告書の中で、「分譲時では、ほぼすべての分譲会社が管理会社を指定。その後約50%の管理組合が管理会社の変更を検討した」とあり、「変更を検討した管理会社の約25%が管理委託契約書の内容が管理会社変更の障害になっている」という。それは、管理委託契約の解除条項が3カ月前までの通知義務を規定していることを指している。

管理委託を解除されることは、管理会社にとって大規模修繕工事という絶好の儲けの機会を失うことになるのだ。ほとんどの大手管理会社やデベロッパー系列の管理会社は、親会社からの天下りを受け入れさせられたりして余剰人員を抱え経費負担が重い。管理委託料収入だけでは企業経営を賄えない。最近、ある大手管理会社が管理受託管理組合の大規模修繕工事の請負いに失敗し、そこで、これに代わる新たな工事(長期修繕計画に予定のない工事)の管理会社の特許工法だという工事を提案してきた。資金が無いので融資を受けるよう薦められている。信頼度の高いといわれる大手の管理会社でもこのように露骨な企業行動をとるのだ。

マンションのための管理会社であるものと思うが、管理会社のほうは、“管理会社のためにマンションがある”と考えているのが実態であろう。しかし利益誘導の行為が目にあまる。長年の信頼関係のもとに、ほとんど随意契約の形で工事を請け負えるから儲けも大きい。近い将来、建替えなども入れればマンションメンテナンス市場規模は何兆円にもなるであろう。

しかしこのよなインサイダー取引がまかり通るのでは正常な市場形成に不安がある。住宅所有者でありながら所有意識が欠如している無知無関心の集まりの管理組合は、今話題の認知症者宅と同じように悪質リフォーム業者の食い物になるのは目に見えている。受託管理会社がその管理組合の大規模修繕工事を請け負うことは、管理組合の予算や資金事情などすべてを知っている立場で請け負うことになるから、どう考えても公正な企業行為とはいえない。これからも、このような管理会社の企業行為が平然と横行するのなら、管理会社と管理組合の確執は絶えることはないだろう。小粒ながら、20年間以上も、管理会社のアシスタントの立場に徹し、誠実に企業活動している管理会社がある。大げさな宣伝をしないため世にはほとんど知られていない。最後に、こんな誠実な管理会社が現実に存在していることだけを紹介することに留めておく。

(論説委員会)


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