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278号 管理組合の不正リスク ―その実態と対策―

管理組合の資金に関心を持つ

組合の運営に当たって、細心の注意を払いたいのが資金の管理です。修繕積立金や管理費は組合の運営に当たって極めて重要な資金ですから、一円たりとも雑に扱うことはできません。ところが、それらの大切なお金が、管理会社のフロントや組合役員らによって不正に引き出され、着服されることがあります。

<事例1>管理員の不正リスク
船橋市の元管理員は、過去15年間で修繕積立金約2億7千万円を横領。

<事例2>理事の不正リスク
管理君に愛の女性会計担当理事は、自ら住んでいたマンションの管理費を2千万円以上着服。

<事例3>管理会社の不正リスク
管理会社の元社長が、東京都や埼玉県など関東周辺20ヶ所以上の管理組合の口座から2億円超を着服。

なぜ不正が起きるのか。

自主管理の場合、印鑑と通帳の両方が理事の手元にあることが多く、不正流用は比較的簡単です。さいたま市にある38戸の管理組合は自主管理、今年の総会時に400万円の使途不明金が発覚。着服した理事は地域の行事などに積極的に参加し、地域の人たちから認められた存在でした。「あんないい人がそんなことをするわけがない」と組合員は行っていましたが、その理事が着服の事実を認めるに至ったのです。引き出すのを容易にするために、キャッシュカードをつくっていまいた。キャッシュカードの申し込み時には理事長の印鑑も必要であり、理事長が慎重にさえしていれば着服は起きなかったのです。「あの人だから安心」ではなく、印鑑と通帳の管理と、引き出す際のシステムの構築が必要なのです。

不正リスクを回避する公開性と透明性

さいたま市にある115戸の管理組合は委託管理ですが、管理会社とは別に企業財務会計と同様の複式会計を取り入れた独自の財務会計業務を行っています。月に一度、管理会社の会計の報告とつき合わせを行い、完全に合致することを確認しあいます。それを翌月の理事会に報告します。締めてから約1ヶ月余りで月次決算報告を提出する仕組みを作っています。二つの会計基準によって財務会計を厳しく、しかも月次で見ており、不正リスクはとても低いと思われます。
この組合のように、徹底的に公開性と透明性を図ることで、不正リスクは軽減し、重要な修繕積立金を安全に保管することができるのです。

(論壇委員会)


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