NPO日住協|特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会 > 282号 損害賠償等にかかわる理事長の権限の強化

論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

282号 損害賠償等にかかわる理事長の権限の強化

新マンション標準管理規約に盛り込まれた新しい項目をシリーズで解説しているところだが、今回は第三弾として「理事長の権限の強化」を取り上げる。
改正区分所有者法第26条2項で管理者(理事長)の権限に関し、「管理者はその権限に関し、区分所有者を代理する」となっているが、旧法では損害保険についての請求・受領についてのみ定められていた。
このため、ある管理組合が大規模修繕後の瑕疵について補修を求めたが、履行されないため別途に管理組合が補修したうえで、その補修に要した費用を損害賠償として訴訟したところ「原告不適格」ということで訴訟を認められなかった。
これは、損害賠償金というものは分割債権で個々の区分所有者が請求すべきであるという判断であったためで、共有部分の管理を管理者或いは管理組合が行なうことになっていながら、このようなケースは個々の区分所有者が行なうべきということには、あまりにも不合理であるということから改正区分所有法に追加で規定されたものである。
追加規定では「共有部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求及び受領」について求めている。
したがって、管理規約の改正に当たってはこれらを考慮して整備することを勧めたい。改正標準管理規約では「理事長の勧告及び指示等」で項目を新設し、勧告・指示・警告のほか訴訟追行権や訴訟費用についても規定している。
このように予め規約に定めておくことにより、何らかの事態が起きたとき素早く対処することができる。なお、訴訟追行に関しては規約・細則等の違反或いは第三者が敷地及び共用部分に不法行為を行ったことに関するものであり、区分所有法上の第57条から60条については前記による訴訟追行はできない。

(論壇委員会)


関連記事