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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

367号 マンション居住者の生活に目を向けない「検討会」~標準管理規約の改定作業に思う~

マンション居住者の生活に目を向けない「検討会」
~標準管理規約の改定作業に思う~

国交省の「マンションの新たなルールに関する検討会」で、標準管理規約改定が検討されている。これは、現在通常の方式となっている区分所有者による理事会方式を変更し、外部の専門家が管理を担う「第三者管理者」方式を広範に導入する目的で設置された。

営利企業とは違う

この検討会では、当初は予定に入っていなかった「コミュニティ形成」業務を標準管理規約から除くという案を入れることを、座長の福井秀夫政策研究大学院大学教授らが強硬に主張したと伝えられている。その理由は、コミュニティ活動はマンション管理組合の目的ではないからだというものだ。こうした横車のせいか、昨年の早いうちにパブリック・コメントに出すといわれていた改正案が、いまだに発表されないでいる。

福井氏らは別に、区分所有法の建替えにかんする特別多数決の要件を緩和して、マンションの建替えを促進する法律改正もつよく主張している。これら三つの「改定」推進の動きに共通するのは、いずれも「経済的合理性」一辺倒の考え方である。一般の営利企業ならともかく、ことマンション管理には、この考え方はまったく当を得ない。

自分たちで決める

そもそもマンションは、基本的に区分所有者の生活の場だ。いったん購入して入居した後は、その住居の価格より、入居者の人間関係や周辺環境が重視される。住む環境をどう保っていくかとか、建物や設備の改善をどうしたいとか、あるいは植栽や施設の運営に注文をするとかである。マンション管理そのものにも無関心ではいられない。だからこそ、区分所有者が自分たちで決めることを基本に理事会制度が広がり、一般化されたのだ。

所有者がほとんど住んでいないリゾートマンションや投資型ワンルームマンションなどはともかく、通常のマンションに理事会をやめて管理者をおく方式を一般化しようとする今回の検討会には、客観的根拠がない。検討そのものを中止し、断念すべきである。

(論説委員会)


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