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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

288号 建築基準法を 消費者保護の視点で改正を

読者の皆さんには、まだ記憶に新しいあの耐震偽装問題だが、被害者であるマンション購入者の二重ローンの問題が解決されないまま幕引きとなりそうな状況にある。

国は、今回の建築に係わる不祥事件に鑑み、今後の建築行政のあり方について平成17年12月「社会資本整備審議会」に諮問し、平成18年3月に中間報告が出されたことから、6月に建築基準法が改正され来年には施行されるが、改正内容に多少は消費者保護の視点がうかがえるという程度である。なお改正の要点は以下のとおりである。

一つは、建築確認・検査の厳格化で、一定の高さ以上は構造計算審査の義務付け・3階建て以上の共同住宅の中間検査義務付けと審査方法指針に基づく第三者機関(指定構造計算適合性判定機関)によるチェック。

二つ目は、指定確認検査機関の業務適正化で、指定要件の強化・特定行政庁の指導監督強化。

三つ目は、建築士等の業務適正化と罰則強化。

四つ目は、建築士・建築士事務所及び指定確認検査機関の情報開示。

五つ目は、売主等の瑕疵担保責任の履行で、宅建業者に保険加入の説明義務付け。

最後に、特定行政庁に図書保存の義務付けである。

ところで、昭和25年に制定された建築基準法は、これまでに何回も改正されているが、経済・社会情勢の変化に応じた、まして消費者保護の視点での改正が行われてきたかについて疑問がある。

例えば、法制定当時は地主が住宅建設を発注し、自らが住むのが一般的で一品生産主義である。一部では現在でも当てはまるが、都市部の住宅建設の形態は地主や地権者が戸建住宅やマンションを建設し、分譲する画一的住宅の大量生産による方式が一般化しているが、法はこれに対応して改正されてきたかという疑問を持たざるを得ない。

今回の法改正は一部の改正で、本報告後に再度法改正を行うようだが、消費者保護の立場からすると住宅に対するリコール制度や不良住宅の買戻しなど、人生最大の買い物に対し、あまりにも保証・保障・補償のどれもが欠けているといわざるを得ない。住宅は製造物責任法や消費者保護法からも外れている、この際建築基準法で十分に対応してもらいたい。

(論説委員会)


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