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295号 国交省の「管理会社の管理者代行制度構想」に重大懸念

大手の経済新聞が「国交省は、管理組合の理事会に代わり管理会社が業務の大半を請負える新制度の検討に入る。」と伝えている。この構想は、東京都が2003年の調査で、都内の築30年以上のマンションの17・4%で役員のなり手がなく、管理組合が機能していないことが分かったということがきっかけとも伝えられている。数字上はそうであっても、これをもって多くのマンションの致命的な問題になっているというわけではない。

国交省の新制度の構想は、マンションのためというより、業者に利する考え方のように思われる。たしかに多くのマンションでは、役員のなり手がなく、規約で、半ば強制的な順番制で役員選出を行っている。それでも区分所有者の多くは、管理組合の役員になるのは規約上の義務なので止むを得ないと受容している。都心のマンションの中には、管理組合が十分に機能せず、計画修繕がほとんど行われていないマンションがある。その多くは再開発型マンション特有の特殊事情があったりする。リゾートマンションやワンルームマンションでは深刻な問題だ。一部に問題があるからといっても、他に方法が無いわけでもないのに、管理業者の管理者代行制度という考え方には大いに異議がある。不動産業界では信託方式を検討しているとも聞くが、管理組合の存在を否定する制度の制定には重大な懸念を表明しておきたい。

マンション管理適正化指針に定めている「管理の主体が管理組合である」というのは、居住専用型マンションにとって管理の根本原理である。自立して努力しているマンションは多い。いまや管理組合は“物言わぬ団体”ではない。現在、全国各地にNPOの管理組合団体がある。

管理組合は“考える”団体である。“意思”があり、“主張”もする。国は「財団」法人や「社団」法人などの業界団体の話を聞くとか、学識経験者と称する人たちの話を聞いたり、業界団体を使ってフォーラムを開いたり、パブリックコメントで意見を聴くのだろうが、なぜ、最初に直接管理組合の話を聞こうとしないのか。

国が検討しているという新制度(管理者代行制度にせよ、信託方式にせよ)は、居住型マンション管理組合の死命に関わる重大問題であるから、われわれは重大な懸念をもつのだ。

(論説委員会)


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