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298号 民法の改正とマンション管理

マンション管理組合の側から民法改正問題を取り上げてみたい。
平成4年の民法第108条(自己契約及び双方代理)の改正を、どれくらいの人が知っているだろうか。改正前の第108条は「同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行の場合はこの限りではない」であったが、この条文の「ただし書き部分」が次のように改正された。「ただし債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りではない」この改正によってもともと禁止規定だった「双方代理」が無権代理行為とみなされるようになったのである。無権代理行為とは、本人から代理権を与えられていないにも関わらず、契約行為を行ったのを本人が認めれば、その契約は有効な行為となるということである。管理組合と管理会社との関係でいえば、管理を受託している管理組合の大規模修繕工事を堂々と請け負えることになったのだ。双方代理行為ではないかといわれる後ろ暗さは無用になったのだ。

管理組合のすべてを知りうる立場にあって修繕工事の実施を企画していても、自ら請負えるといううまみを手にすることができるのだ。社会的に不公正ではないかとの謗りも管理組合が契約を締結すれば法的には有効となる。悪質な管理会社なら、管理を全面的に任せられている立場を利用して、不要不急なメンテナンスを提案して予算化を誘導してその修繕工事を請負う。我々はこれに似た事例をしばしば見てきた。管理組合がしっかりしなければならない時代になったのである。

日住協は5年前に「管理会社登録制度」を設置した。登録の条件として管理会社にとってかなりきつい11条件を示したが、その中で、管理受託管理会社の立場で大規模修繕工事を請負うか、請負わないかを自ら登録するように求めたところ、応募会社10数社の申込みがあり、そのうち2社が大規模修繕工事請け負いを「しない」と登録している。その他は、工事請負はやりたいとして登録を辞退した。

国交省監修の標準委託管理契約書があるが、これには管理会社の業務内容や資本系列の開示を要求していない。新築マンションの瑕疵問題で誠実な態度をとらないどころか、妨害するデベロッパー系の管理会社もある。
今や管理組合は管理会社を見抜く力を持たなければならない。

(論説委員会)


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