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299号 マンションの耐震化を考える

新耐震か旧耐震か

7月16日、新潟と長野で震度6強の大きな地震が発生した。波長の長い横揺れにひとたまりもなく、古くからの戸建て住戸が映画のワンシーンのように倒壊した。関東地方に同様の地震があった場合、耐震基準に満たないマンションでも、大きな被害がもたらされることになる。
昭和56年の建築基準法施行令改正以前の耐震基準(旧耐震)で建設されたマンションは約100万戸あり、これらについては耐震性能が劣っている可能性があり、このようなマンションについては、その安全性を確保する必要上、耐震改修等による耐震化を図ることが課題となっている。

マンション耐震化マニュアル

この度、そのような理由を元に国土交通省が「マンション耐震化マニュアル」を作成した。マニュアルは次のような内容である。
「地震に弱いマンションと大地震等による想定被害」として、ピロティのあるマンションなど地震に弱いマンションのタイプと阪神淡路大震災における被害状況をもとに想定される被害を示している。「マンションの耐震診断」では、マンションの耐震診断の進め方、耐震診断の方法を示しており、「マンションの耐震改修工法」では、様々な耐震工法の種類や特徴などについて示している。「マンションの耐震改修の進め方」では、マンションの耐震改修を進めるための区分所有法上の手続き、費用負担のルールや合意形成の仕方などを示し、「支援制度」では、耐震診断、耐震改修についての補助制度、融資制度、税制などについて示している。

管理組合のパワーを結集しよう

マニュアルにないのは、管理組合のパワーを結集する方法である。つまり、耐震診断をしたとして、仮に耐震性能が劣っていた場合、改修する費用を負担できるのかが心配になる。そこで、はじめから耐震診断そのものを行うことをしない。という管理組合もあるようだ。 そのようなマンションが売買されるとすれば、重要事項の説明にそのことを入れる必要がある。そうなると、買い手は次第に遠のくし、当然価格は低くなっていくという悪循環に陥ることになる。

そうならないためにも管理組合のパワーを結集し、安全で安心できるマンションにするために、勇気を持って診断し、補助制度等の利用と、必要な費用は組合員に理解してもらいたい。これは、生命に関わることなのである。大きな壁があるのはもちろんだが、それをみんなのパワーで乗り越える必要がある。
それによってマンションの居住価値と安全性が高まるのだ。

(論説委員会)


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