NPO日住協|特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会 > 301号 管理組合財産の管理は大丈夫か

論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

301号 管理組合財産の管理は大丈夫か

マンション管理組合財産をめぐる不祥事件の報道がなされている。毎年必ず何件か起きている。ほとんどは管理組合の理事長又は元理事長など管理組合トップが起こした事件である。不正をする理事長はほんの一握りの者だが、マンション管理面からは由々しい問題だ。

管理組合役員の選任方法を真剣に考えて見なければならない。よく管理組合役員のなり手がないという話を聞く。多くのマンションは部屋番号順に役員になる。その中から、規約にしたがいまたは総会の決議などで理事長に選任される。理事長になりたい人は、それなりの振る舞いや発言をすれば容易になれるのが普通だ。

事件を起こした者の中には、管理組合の多額な修繕積立金に目をつけ、理事長の立場で管理会社の管理人に対し理事長自身が管理するとして通帳の提出を強要したり、提出を拒まれれば、理事長自ら銀行に通帳紛失届を提出して再発行してもらうなどの手のこんだやり方をして、何年にもわたって、多額な金を横領したケースさえある。役員同士は「近所の人」ということもあって、おかしいと感じても理事会の牽制機能が働かないのだ。

「マンション管理適正化法」は、管理会社が管理組合の預金口座の届印や預金通帳を同時に保管することを禁じているが、管理組合の場合は、財産保全に関する法律がない。標準管理規約にも保全に関する規定がない。管理組合の金銭財産の管理は管理組合の自治に任され、現実には全く無防備状態である。理事長の中に、多額な修繕積立金の存在を知って、やり方次第で自分のものになると考える者が出ても不思議ではない。管理会社に管理業務を委託しているから安全と考える管理組合もあるかもしれないが、上記のように管理人だって、悪意ある理事長に目を付けられれば無力だ。

管理組合の防衛策としては、会計規則で資金管理規定を設けて、その中で厳格な支払執行手続きを定め、これを厳正に実行することが重要である。
また、外部監査制度の導入も検討して見よう。そうすることで、犯行の早期発見および不正防止に役立つのは間違いあるまいと考える。

(論説委員会)


関連記事