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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

313号 上手な専門家の活用

専門家の活用は余分な費用負担か
改正マンション標準規約に「専門知識を有する者の活用」の規定が挿入されたのは、管理組合の役員にマンションの管理の専門家がいないとの認識から、外部の専門家としてマンション管理士等の活用を目論む国交省の深慮遠謀があったとも考えられる。このほかのマンション管理関連の専門家は、弁護士、建築士、ビル管理技術者、地域のマンション管理の実践者などである。

マンション管理の専門家は、実際の管理に携わった経験がなく、知識を振りかざすだけの人では困る。マンションが期待する専門家は、「マンションの管理の分野で、高度の知識または優れた技能を備えた人であって、公正中立の立場で委任によって管理組合の代理人になれる人」ということになろう。したがって、専門家に業務を委託しようとする場合、実績や社会的評価などを調べ、その人となりをみて選ぶことが大切だと思うが、これは言うべくして難しい。結局、工事業者を選ぶのと同じく複数の専門家から委託費の見積りを徴集し、金銭比較で選ぶという方法を採る。このような考え方の人が専門家活用の費用を「余分な経費」として業者任せの責任施工方式を採用する。

しかしこの方法が本当に経費節約になるかというとリスクがある。頭から業者を信頼して、管理組合が工事仕様書を作成せずに業者に随意契約や特命で発注した場合、業者はどうしても利益追求優先に走ることになりがちになるのは否めない。不要不急の工事をしたり、工事単価も割高な積算資料の単価を用いるなど、結局、市場価格とかけ離れた工事費になり、工事費の内訳などをメンテナンス専門の建築士にみてもらうと、工事の仕様もいい加減なものであるばかりでなく、市場価格のなんと2倍ないし3倍も高額な工事費だったという事例もある。「長年付き合いの管理会社だから2、3割程度は高くなるのは止むを得ないと考えても、市場価格より2、3倍も高いとなると組合員への説明がつかない」ということにもなる。

日住協は、予てより分譲集合住宅の大規模修繕工事の工事体制はメンテナンス専門の一級建築士等の専門家による「設計・監理方式が最も望ましい。」としてマンションメンテナンスに精通した一級建築士の方々の協力を得て、管理組合からの紹介依頼に応じている。

(論説委員会)


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