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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

316号 管理組合方式と管理者管理方式の違い

24年振りで管理組合の役員に再就任した。かつては他の管理組合の模範とみなされ、団地管理を学ぼうとする訪問者が数多く、訪問者が絶えなかったのだが、20年を経て役員になってみると往時のような管理を感じ取ることができなかった。マンション管理の継続の困難さを実感させられた。

国交省の社会資本整備住宅宅地審議会マンション政策部会の議事録を読んだ。ある委員の管理組合方式の運営方法に疑問を呈した意見に首肯させられる面があった。区分所有法が規定している管理者の管理方式と管理適正化推進法で認めた管理組合方式の相違が存在する。前者の法律は法務省の立案制定のものであり、後者は国交省の立案になる法律である。

居住型マンションの多くは、管理組合方式を採用している。しかしマンション管理に対する区分所有者の関心の無さゆえに管理が立ち往かなくなっている例も少なくない。そこに会社方式の「所有と経営の分離」方式の考えが出てくる。それが管理会社管理方式であり、管理のプロによる第三者管理者方式である。

管理者による管理システムでは、管理業務の評価や利益相反行為又は信用失墜行為をチェックする監査機関を構築できるか。管理組合法人の場合は法定で、その他の管理組合の場合は標準管理規約で監事の規定を設けている。しかし監事の規定は民法の規定を準用するとだけ規定し、だが監事の任務とか権限について具体的、明細な規定は無い。管理の評価については集会で行えばよいというぐらいだろう。

プロの管理といえば、管理会社が管理者代行になっている例や供給公社の割賦終了までの間、管理をした事例を挙げてみる。割賦購入者全員の割賦が終了するまで住宅購入者への所有権移転がないため、共用部分を管理するための団体の設立ができない。その間、供給公社が管理するのが通例である。その結果、管理の実態は、機械設備の運転管理とか当面の維持管理を行うだけで、多額な資金を要する計画修繕はほとんど行わないのが普通だ。割賦が終了後の管理組合設立のときは、財産としての住宅の劣化がはなはだしく進んでいるのが普通である。所有者意識を反映しない管理とはそうゆうものである。居住環境の維持増進やコミュニティ形成も、自治会の親睦団体のような「自分たちでふるさとの街づくりを」という意識は生まれない。管理組合方式とは、そのような意思を土台にしているものであって、単なる財産の管理ではない。

(論説委員会)


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