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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

317号 大規模修繕工事に向っての取り組み 段取りと透明性の確保が重要

大規模修繕工事はタイムリーに

大規模修繕工事(工事)は、外壁のお化粧直しだけでなく、タイルの浮きやひびわれ、コンクリートの劣化している箇所の補修、バルコニーや共用廊下、階段などの床廻りの防水工事等が基本である。工事をタイムリーに実施するには、「長期修繕計画書」(計画書)を事前に策定しておき、それに基づいて修繕積立金を積み立てていくことが必要である。

「計画書」に基づいて、工事の少なくとも3年程度前になったら特別委員会を設置し、建物の健康度合をチェックし、その劣化度によって緊急か重大な措置をとるものがあるかなどを明らかにする必要がある。そのためには、専門家による建物診断が欠かせない

管理組合主体の修繕工事に向かって

グローブコート大宮南中野団地管理組合法人(グローブコート)では、年2回の「日常点検」を長期修繕委員会と建物・施設委員会によって実施し、建物の健康度をつぶさに確認するシステムを構築している。この素人集団によって、屋上のシート防水塗装の劣化とタイルの浮きも発見。どちらも専門家に診断してもらった結果、前者は全面的な塗装を、後者は部分的な補修を実施することになった。

このように、素人にもできることはある。そういう前提の上にグローブコートでは、計画書に基づいて工事を前に「大規模修繕委員会」を立ち上げた。そして、専門家に建物診断を依頼したところ、建物の状態は「かなり健康」。そこで、委員会では1年間、工事を後ろに持っていくことを検討。理事会の承認も得た。

組合員の参画意識の醸成

その間に実施した、管理組合とコンサル会社は意図が異なる2種のアンケート調査を全戸対象に実施。回収率は90%程あった。この2つのアンケートは、「何を」工事の範囲に含めるかの判断に大いに役立った。もちろん、アンケートを全組合員対象にしたことで、組合員の参画意識の醸成にも役立った。

臨時総会では、反対がゼロだった。これは、前述のような委員会(組合員参加)が機能したことと、大規模修繕工事に向かっての様々な取り組み(経緯)を組合員が理解したことによるものと思われる。

グローブコートの事務局長は「常に透明性を確保しながら行動した成果」と述べている。

(論説委員会)


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