NPO日住協|特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会 > 369号 不在組合員化対策について考える

論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

369号 不在組合員化対策について考える

最近、マンション管理の問題として良く言われているのが、「組合員の高齢化や賃貸化」である。

これは、現在議論中の国交省の「第三者管理者管理」等を導入しようという標準管理規約改正議論でも、「役員の担い手不足」の例として引用されている。
しかし、高齢化は、決して「役員の担い手不足」に直結するものではない。
むしろ、これまでマンション管理に無関心であった組合員が、定年で時間ができ、役員に就任しやすくなりうるということも考えられる。

これに対し、住戸の賃貸化(不在組合員化)という問題は、確かにマンション管理に携わる者にとって深く考えなくてはならないものといえる。

この問題で直ぐに思い出されるのは、三年前の不在組合員への「住民活動協力金」を賦課すること認めた最高裁判決である。この後、いくつかの管理組合がこれに倣って、「住民活動協力金」を課すようにしているようである。

しかしこの事案は、不在組合員は役員になる義務を逃れ、日常的な管理組合活動に労務を提供していない等で、居住する組合員と不公平があるという趣旨で、その者に一定の金銭負担を課すことの是非をめぐって争われたもので、「不在組合員化対策」という趣旨から出てきたものではない。
「住民活動協力金」なるものを制度化すると、居住している者でも、役員にならないとか、清掃活動に出てこない等の管理組合活動に協力的でない者は居り、それに対してはどうなるのか、という問題が派生してくるであろう。
やはり、不在組合員化対策としては、賃貸化を原則的に制限する等を、規約において措置するのが適切であろう。

本来的には、入居時点でそのような規約を策定しておくのが適切であろう(標準管理規約はそうなっていないが)。既に、賃貸化が進行してしまっているところでは、不在組合員でも役員になれるようにするとか(標準管理規約は平成二三年にそうなった)、その組合員に、占有者を自分の「名代」として、マンションのコミュニティ活動に参加するように働きかけてもらうことが重要であろう。

不在組合員に何らかの金銭的負担を課すというのであれば、総会案内や議案書等の発送にかかる実費相当額を課すのが妥当ではないか。

(論説委員会)


関連記事