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370号 大規模修繕工事の新たなセーフティーネット

瑕疵は身近にある

管理組合にとって大規模修繕工事は費用と周到な準備を費やす一大イベントだ。委員会活動をスタートさせ、長い時間が経過しやがて工事が終わる。しばらく経って瑕疵が見つかることもある。一般に施工会社は瑕疵を認めたがらず、言い訳をぐずぐずと述べ立てる。実際、ある管理組合で外壁塗装後、数ヶ月でリフティングが現れてきた。しかし、施工会社は「そうなることは最初からわかっていたが、仕様書の通り実施した」と述べたという。そうであるなら事前の試験を具申しなければならない。この手の施工会社には注意が必要だ。

瑕疵の際の費用負担

瑕疵は、直ちにあるべき品質にしなければならないが、問題は費用の負担だ。3年程前に新しくできたのが大規模修繕工事瑕疵保険である。大規模修繕工事の瑕疵を担保した保険で、数社が取り組んでいる。この保険は、施工会社が加入して保険料を払うが、最終的には工事代金に上乗せされるのだから、管理組合としてはしっかりした瑕疵保険会社の選定を施工会社に勧めることが肝要だ。もし瑕疵が見つかった時に保険で賄えるかもしれないので、管理組合は施工会社が新たな仕組みの瑕疵保険に入っているかを確認したい。

ダメな施工会社のチェック機能として

工事中に施工会社が倒産し、工事の継続に不安をもたらすこともある。現在、施工会社は他の同規模の施工会社と工事継続の契約をすることが多い。この場合、移行先の会社も倒産があり得る。そこで、工事の完成を保証する大規模修繕工事完成保証が先頃できた。ある管理組合は「工事が終わらないと工事代金を支払わない」という。この場合、完成保証は必要ない。

これらの保険や保証の利点は、それらの会社が第三機関として一定の基準をつくり、それに沿って加入を引き受けるので、そもそもダメな施工会社はそこで弾かれる。そういう意味においても、大規模修繕工事の万が一に備え、新しいセーフティーネットとして考慮したい。

(論説委員会)


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