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373号 監事の役割とその限界

管理組合には、役員として理事と監事が置かれている。しかし、その監事のあり方については余り積極的な議論になっていないようである。

多くの管理組合では、役員候補者の分担において、「監事は理事会に出席する権利はあるが、義務はない」という安易な理由で選択されるようなことも見られるようである。したがって、監事の仕事とは、総会議案書に往々みられる、「適切に処理されていることを認めます」との定型的な「監査報告書」に署名・押印するだけと思っている方も多い。

こうした「名ばかり監事」では困るが、その一方、監事がやたらに理事会の業務執行に関する議論に口を挟み、理事と見紛う程に「活躍」する監事も最近見られるが、このような「でしゃばりすぎ監事」も問題である。こうした事例は、役員人事において、前理事長が監事に就任するという慣例の管理組合等に起きやすい。そこで、監事の役割とその限界について述べてみたい。

監事の役割とは、「管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告すること」と、「管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があるときは、臨時総会を招集すること」である。こうした任務のために「理事会に出席して意見を述べることができる」権利を与えられているのである。

つまり、「業務の執行」等を担うのは、理事会であり、監事は理事会の活動等を監視するというのがその役割である。具体的には、理事会の活動が法・規約・総会方針等に違反・違背していないかチェックすることである。それ故、監事が理事会の業務の政策議論に加わり、賛否を述べるというのは不味い。また監事は、理事会には必ずしも監事の意見に従うべき義務もない、ということもわきまえておくべきである。監事は直接組合員に責任を果す存在なのである。

理事長経験者として、現理事の議論に歯がゆさを感じることもあろうが、そこは我慢し、自らをアウトの意見表明者に限定するという忍耐も監事には必要である


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