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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

374号 設計コンサルタントへの期待

ヒアリングは真剣勝負の場

NPO日住協は、大規模修繕工事等の際は設計監理方式を勧めている。多額な費用を使う工事において、監理と施工を分けることで、より透明性を担保できる。

設計監理方式においては、設計コンサルタントの資質が問われる。ヒアリングの際、参加施工会社にテストを出す設計コンサルタントがいると聞く。ヒアリングは、一社につきせいぜい1時間以内という短時間のなかで、的確な質問を単刀直入に投げかけ、その会社や現場代理人の工事に対する考え方、態度、技術力や提案力などを訊き出して判断するものであり真剣勝負の場である。質疑を応酬することで管理組合と施工会社の双方の気持ちを明らかにし、疎通させる機会でもある。そういう場に、テストはそぐわない。しかもその内容と現場代理人が必要とする知識・技能はあまり関係がないと思える。発注者と施工者は基本的には対等な立場であり、設計コンサルタントが上位にあるような勘違いを内在しているように感じる。

管理組合のための設計コンサルタントを考えよう

設計コンサルタントは、発注者の利益確保が前提であるとは言え、発注者である管理組合が理不尽、過剰要求をしている場合には、それを正し、筋を通すアドバイスをすべき立場にもある。そのために設計コンサルタントと施工会社はしっかりとしたコミュニケーションが求められる。

実際に工事に入ると経験豊富な現場代理人は、設計コンサルよりも現場を熟知している。改修工事は工事が始まってから、設計にない問題が出てくるのが普通である。そういうことも含め、管理組合と施工会社をうまくつなぐ役割を設計コンサルが担うことを求められ、それも含めて設計監理方式のよさといえる。しかし実態は、現場代理人におんぶに抱っこの設計コンサルもいる。

管理組合、社会資本としてのマンションのために、設計コンサルの奮起を促したい。管理組合も、設計コンサルタントの選定には十分に留意することが必要である。

(論説委員会)


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