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325号 マンションのペイオフ対策の見直し

平成5年4月から始まったペイオフ制度は4年有余の歳月を経過した。
サブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機は、いまだに解消されたとはいえないようである。金融機関の破たんは、ペイオフによる損失だけでなく、債権債務が一旦凍結される。金融機関の預金の出し入れや、ATMからの出金、公共料金の自動払いも停止されてしまう。こうした事態の救済策の一つとして、預金の全額が保護され、入出金自由型の「決済用普通預金」(金融機関によって名称が異なる。)が誕生した。ただしこの預金は利息がつかない。現在は定期預金金利さえ1%以下の金利だから無利息の決済用普通預金でも我慢していられる。国は、個人向けの変動金利型国債を発行して国民の不満を回避している。

個人なら低利でも何がしかの利息が得られるのに、マンション管理組合に修繕積立金を積み立てると管理組合は、当然のことながら元金の安全を最優先するため「決済用普通預金」にしてしまい、利息が得られないというのは、不合理だという考え方が出てきても不思議ではない。マンションの修繕積立システムの崩壊を招きかねない問題がある。

さて、管理組合の資金の運用方法は、「決済用普通預金」のほかに、金利がつく運用手段というと、まず、国債購入の方法が考えられるが、これには若干の債券取引に関する専門知識と綿密な資金計画が必要になる。したがって毎年のように役員が交代する管理組合には向かないだろう。

そこで、現時点では、わが国金融機関の最高ランクの信用格付け(スタンダード&プアーズ社格付)の「商工中金」への預金(金融債購入等)が考えられる。商工中金は、民営化が確定しているが、すでに預金している金額は、民営化後も保護されるということだ。「商工中金」預金は、ペイオフ対象外だから、預金額の制限がなく、安全性が高く、出し入れ自由の利息が得られる運用手段といえるだろう。

おりしも政権が交代し、新政権の中小企業支援の具体的政策は変わるかもしれないが、新政府も中小企業対策を重視する方針を打ち出しているところから、私見ではあるが、中小企業向けの政府系金融機関は存続して然るべきものと考える。この点については、各自において直接近くの商工中金に出向くとか、商工中金のホームページをみるとかして、自ら確かめられることを勧めたい。

(論説委員会)

 


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