NPO日住協|特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会 > 327号 温室効果ガス25%削減の意味するもの

論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

327号 温室効果ガス25%削減の意味するもの

8月に行われた国政選挙で民主党が圧勝し、9月には民主党連立政権がスタートした。
鳩山首相は、国連での演説で温室効果ガスの削減について、日本は1990年比25%の削減を2020年までに達成することを宣言したが、現実は1990年比で増加しており目標達成は容易でない。
京都議定書で約束した1990年比6%削減の対象年が2008年から12年までだが、環境省の速報値でも基準年に比較して総排出量は1.9%上回っている状況にある。産業分野では相当の努力で減少傾向にあるが、家庭部門や業務その他部門は増加傾向にあるため、このままでは目標達成が非常に厳しいことになる。くわえて、鳩山首相が政権交代して2020年までに25%削減するといっている以上、今後産業界をはじめ各分野の削減努力の目標が高く設定されることが予想される。

ところで、省エネルギー法が改正され、建築物等についても2,000㎡以上のものが対象となり、大規模修繕等も2,000㎡以上の場合省エネの努力義務が課されている。ただし現在は主要構造部分の改修等の工事を行わない限り届け出る必要はない。

そこで、今後の国の動向が気になるところだが、省エネがCO2削減につながることから住宅部門の省エネ努力がより高い水準で要求されるのではないかと思われる。これにより共用部分である外壁・開口部・屋上等の断熱化を促進することを要求されることも考えられ、管理組合にとっては長期修繕計画や積立金計画を見直すなど費用負担の増加につながることになる。
これらのことは、省エネにより居住者や管理組合にとっても生活や管理面でメリットではあるが、対象になる既存マンションが高経年であればあるほど高齢者の居住率が高く経済的に負担能力が劣ることから計画作成や実施の大きな障害となる。

国は、早急に25%削減の道筋を示し、住宅の省エネに関わる政策・施策及び実施方針を提示するとともに、住宅の省エネへの助成策を講ずべきである。

(論説委員会)


関連記事