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330号 不在組合員「協力金」導入は慎重に

マンションの不在組合員から、協力金として管理組合費の上乗せを徴収するのは妥当かどうかで争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は、1月26日、協力金は適法とする判断を下した。「住まぬ人に増額適法」などと、マスメディアも、大きく報じた。

◆2割の賃貸化率

判決や報道によると、大阪市北区の中津リバーサイドコーポ(4棟、14階建て、868戸)の大型マンション。46年に市公社が分譲。新大阪駅にも近く、交通便利なこともあって、2割を超える180戸が賃貸されている。60歳を超える高齢世帯も300戸といわれ、賃貸化と高齢化で管理組合活動も打撃を受けていた。

不在組合員から月5千円の協力金を徴収する規約改正案が04年の総会で可決されたが、一部住民が訴訟を提起、裁判所の和解を受け、07年に月2500円に減額する規約改正案が可決された。しかし、一部不在組合員が公序良俗違反などと支払いを拒否し、訴訟になっていた

◆不公平感の是正に合理性

判決では、不在組合員は、役員になる義務を免れているだけでなく、日常的な労務の提供をしていないとしたうえで、「マンションの管理組合を運営するのに必要となる業務、費用は、本来平等に負担すべきものであって、その業務を分担することが困難な不在組合員に対して、規約改正により一定の金銭的負担を求め、不在組合員と居住組合員との不公平感を是正することは、その必要性と合理性があると認められる」と断じた。

◆性急な導入は,はて?

昨年、横浜市のある複合用途型マンションの管理組合が店舗部分入居者などに管理組合費の割増金を課す規約改正を苦労して実現した。そんな組合を勇気づける画期的な判決だが、わがマンションでも協力金導入を、と走り出すのは、慎重に判断した方がいいかもしれない。それでなくても、居住組合員で役員になりたがらないなど管理組合活動に無関心な層がある。賃貸化、高齢化の比率、コミュニティの熟成度などを考えてからでないと、組合員同士の反目を煽ることになりかねない。

ある自主管理の団地で、月千円の協力金を導入したが、賃貸住戸の把握が意外に難しく、担当理事にしわ寄せがくるとして中止した例もある。

(論説委員会)


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