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333号 計画修繕の安心は買えるか

◆半年で模様替え、なぜ

マンションの1回目の大規模修繕を計画している管理組合理事長から、先日、「この協会に加盟しているリフォーム会社に工事を依頼しようと考えているのですが」という相談を受けた。が、その資料はその後大幅に変更された。「新しい資料を差し上げますから、それで検討したらどうですか」とアドバイスした。

協会とは、一般社団法人マンション計画修繕施工協会(MKS、本部・東京西新橋)だ。1昨年秋、塗装、防水、設備などマンションリフォームの専門業者130社で設立、都心のホテルで、一昨年末、国会議員、国交省幹部はじめ、関係者が参加して盛大な披露パーティーを開いた。「期待していた団体だ。国交省としても応援したい」と国交省幹部は挨拶で持ち上げた。MKSの目玉は、計画修繕工事の完成・瑕疵保証システム。独自の改修工事の完成保証、瑕疵保証制度をつくり、昨年5月からスタートさせた。会員企業が工事途中で、倒産した場合、県内または近県の会員業者が工事を引き継ぎ完成させる仕組み。また、工事に瑕疵が出た場合も、MKSが保証するのが特徴で、保証料は、請負金額の0・5%プラス検査料とされた。この一部を提携する損保会社に払うが、あくまでもMKSが連帯保証するとされた。それが、昨年秋、突然、引き受けが中断された。

◆国の制度に組み込まれる

昨年10月、住宅瑕疵担保履行法が施行され、新築の戸建て、マンションについて瑕疵保証制度が発足したが、国交省の方針変更で、マンションの修繕工事についてもこの瑕疵保証を適用すべしとされたのだ。MKSでは、制度設計をやり直す羽目になった。新たに保険会社も国交省の指定保険法人のハウスプラス住宅保証株式会社が指定された。
つまり、MKSの連帯保証ではなく、保険会社の保険商品のひとつに模様替えしたわけだ。完成保証は、原則として会員社に限定されるなど、MKS独自の制度とほぼ同じ内容だが、完成保証料は、請負金額の0・3%、瑕疵保険料は、住棟の延べ床面積に応じた保険料プラス検査料となっている。例えば、瑕疵保険料金は、延べ面積3千~6千㎡未満(支払い限度額1億円)の工事で、約60万円となる。これに、完成保証料が加算される。どちらか一方での契約でも可能だが、原則はセットとしている。

◆保証採用に二の足踏む管理組合

新制度は3月から発足したが、MKSによると出足はよくない。完成保証、瑕疵保険ともに契約者は工事請負業者となるが、工事見積額に含めるかどうかは請負業者の判断に委ねられる。工事金額によっては100万円を超えるため、全額管理組合負担となったときに、保証・保険料をぽんと出す組合は少ないだろう。「発足当初より保険・保証料の負担額が重くなったので、見積りの際ぜひ採用してくださいとはいいにくいのが正直なところです」とある業者。工事途中の倒産、工事の瑕疵を担保するため加入はしたいが、工事費用節減にやっきの管理組合は、二の足を踏む。「消費者保護のため、リスクのある共済的な制度は見直したい」というのが国交省の方針だが、マンション計画修繕工事の保証制度が広がらないのでは、何のための保証制度なのか。

(論説委員会)


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