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381号 理事は総会で議案に反対できるか

多くの会員管理組合では、すでに本年度総会も終了していると思われるが、総会を前に良くある相談に、理事は総会の場において理事会が提出した議案に反対することができるか、という質問がある。そこで、今回はこの問題について考えてみたい。

標準管理規約では、総会提出議案は理事会において決議するとなっている。したがって、総会議案はあらかじめ理事会において審議されるわけであるが、理事会の議決は理事の半数以上が出席し、出席理事の過半数で決するとなっている。そこで、総会提出議案に関しても、一部理事が反対しても決議されるということはあり得る。その際、理事会で反対した理事は、総会の場でも反対しない限り首尾一貫しないということになる。その意味で、理事は総会の場で議案に反対することはできると考えられよう。

そもそも、総会に提出される議案は「案」であり、それは組合員(区分所有者)全員で構成される総会において議決されて初めて「決議」となるのである。その「案」をめぐって審議するのが総会というものであるので、当然そこでは全ての組合員が「案」に対して自らの見解を自由に述べることができると言えよう。総会は討論の場であるから、討論の成り行きによっては、見解が変わるということもあり得る。その意味では、理事会において賛成した理事も、反対に回るということもできると言えよう。

このように考えれば、理事は総会の場で提出された議案に反対できるということになる。そもそも総会は、理事会が提出した議案を全て通すというところに目的があるわけではなく、組合員の合意を獲得するところに目的があるのである。総会において、理事会が提出した議案が否決されても何も問題はない。それが、合理的な結論であれば、改めて臨時総会を開き新たな議案を提出し、審議・可決すればよいまでのことである。

以上のことを逆に言えば、「議案」が可決された場合には、理事はもちろん反対した者もその決議に拘束されるということになるということである。この点も含めて理解を深めていくことが管理組合運営の適正な発展に繋がるであろう。


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