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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

341号 理事のなり手不足 

管理組合役員のなり手不足は、相変わらずだ。うちは大丈夫と胸を張るマンションがあったら表彰状もの。マンション標準管理規約(単棟型)のコメントには、おおむね10~15戸につき理事を1名選出する、とあるが、東京都内などで急増している超高層マンションは、1棟で千戸などもあって、30名を超える理事を選出しているところもある。

◆規約に定めた理事辞退権

なり手不足に、輪をかけるのは、住民の高齢化、賃貸化、管理への無関心などだ。神奈川県内のあるマンションでは、規約に70歳以上は、理事に就かない、つまり辞退できるという権利を明文化した。団地などで階段ごとに理事を輪番で選出するケースが多いが、話し合って、高齢者で体調の良くない住民は、輪番をパスすることを認めている例があるが、規約に定めたのは珍しい。

◆役員の資格要件を緩和へ

国交省は昨年8月から学識者、管理組合代表などで「マンション標準管理規約の見直しに関する検討会」を設置、標準管理規約とそのコメントの改正案を審議してきた。その改正案では理事の資格条件を緩和した。現行の35条2項で、理事及び監事は、「現に居住する組合員のうちから」、総会で選出する、と規定されていたのを、このカッコ書き、つまり現住条件を外した。さらに2項で、「組合員から申し出があったときは、当該組合員の配偶者又は一親等の親族(現に居住する者に限る)を総会で理事又は監事に選出することができる」として、理事の枠を限定的だが広げた。経論すれば組合員であれば全員、現に居住しない組合員だけで理事会が構成されることも予測されるため、コメントで制約を付した。35条関係の⑥で、「理事会は、マンションに現に居住し、マンションの実情等をよく把握している組合員が中心になって運営されることが望ましいことから、現に居住する組合員が役員の過半数を占めるなどの定数要件を定める方法や、理事長、副理事長、会計担当理事等への一定の役割については、現に居住する組合員に限定する要件を定めるなどの方法をとることが望ましい」としている。資格要件は緩和するが、基本は現に居住する組合員で運営するのが望ましいという趣旨だ。

◆高齢化は悲観材料だけ?

資格要件の緩和で、確かに理事の員数合わせは楽になりそうだが、理事会が活性化するかどうかは別だ。「19名の役員のうち、7名が再任して残ってくれた。高齢化は進むが、やる気のあるひとはいますよ」とある団地の理事長は胸を張った。マンション管理問題評論家の村井忠夫氏も「最近、団塊世代の還暦組が役員になって、理事会が急に活気づいてきたマンションがある」と指摘する。高齢化をマイナス要因とばかり見ないで、理事会の戦力ととらえられないか。理事会が活気づけば、若い人も「配偶者」も面白がって加わってくる期待もある。

(論説委員会)


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