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342号 購入者をだますマンション販売業者 ―無料駐車場一〇〇%は誇大広告― 

ある日の全国紙。マンションの全面広告に「無料駐車場100%」の大きな文字。思わず、「これこそ朝三暮四の典型だ」と叫んでしまった。

「朝三暮四」はあまりなじみのない四字熟語だが、中国の古代、王様の生活が苦しくなったので、飼っている猿に食事のドングリを「朝三つ夜四つ」に減らすと言ったところ、猿は不満タラタラ。そこで慌てて「朝四つ夜三つ」と言い直したところ、猿は満足して収まったという。つまり、同じことなのに、目先を変えて相手をだます中国の故事だ。

広告の駐車場は機械式。駐車料はタダでも維持費も要るし、修理費も交換費用もかかるのは当然。駐車料がタダなら管理費、修繕積立金が増え、駐車料を取ればその分だけ組合員の支出は減る。要するにまったく「朝三暮四」と同じだましの手口だ。

たしかに販売広告には、虫眼鏡でみるような小さな字で「機械式駐車場のメンテナンス費用は管理費に含まれています」とは書いてある。要するに、駐車場無料の分は区分所有者が管理費でまかなわなければならないといっているわけで、広告主は読まない方が悪いというかもしれない。これこそとんでもないことで、事実上「無料」でないことを知ったうえで「無料」広告を出すのはいっそう悪質だといわなければならない。そもそも駐車場が100%でない場合は、使う人と使わない人との公平性を確保するため料金の額は重要だが、一戸一台のばあいは、料金ゼロでも一万円でも、最終的な区分所有者の負担は同じである。販売業者は購入者を、「朝三暮四」にだまされた中国の猿と同じようにだまそうと思っているとしか考えられない。

そのうえ、機械式駐車場は二〇年くらいの寿命で交換が必要となる。そのばあいの修繕積立金のことを考えれば、問題はいっそう深刻である。購入当初の修繕積立金額については、今なお全体としては低額に過ぎ、この点でも販売業者の無責任ぶりは問題で、改善が求められなければならないところである。こういう広告は業界も新聞社もチェックしないのだろうか。

(論説委員会)


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