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384号 当事者を加えない「団地再生」検討会が開始されたが……

国土交通省は七月七日、「住宅団地の再生の在り方に関する検討会」の設置を発表、七月二十二日には第一回会合が開かれ、実態把握のうえ、建て替えや改修の再生手法、枠組み、土地利用などを検討、来年末には施策の在り方をまとめるという。

区分所有者が不在

検討会は、座長に浅見泰司東大大学院教授の他、委員は八人の有識者で構成されている。ほかに行政関係者も参加する。委員は大部分が学者、弁護士などだ。この構成で一番の問題点は、当事者が欠けていること、つまり「団地再生」に最大の利害関係を有する居住者・区分所有者の代表が一人も参加していないことである。当事者の重視は、いま各界で強調されており、専門家一辺倒の弊害も東電福島原発事故で痛切な教訓を得たところである。

座長は適任といえるか

浅見氏といえば、同じ国土交通省の下にあって、結論が出ないまま休止(?)している「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」の委員である。その結論が出ない理由はいろいろあるが、端的にいえばマンションの区分所有者・住民をはじめとする各方面からの異論が続出しているのに、それを反映せずに強引に結論を得ようとした一部メンバーの態度にある。その中心メンバーが新しい検討会のまとめ役に適切といえるだろうか。

さらに浅見氏は、団地の建替えの決議要件が厳格すぎるという立場で書かれた『マンション建替え』という本の編著者として主要な役割を果たしている。このようにすでに結論をもった人物を座長として、客観的な検討ができるかどうか、はなはだ疑問があるといわなければならない。

団地再生は重要な課題

われわれNPO日住協は、すでに再生の課題が現実になっている多くの団地の管理組合が構成メンバーにいる。従って今回の検討会が検討課題としている建て替え、改修、地域の再生については、当事者としてきわめて重大な関心をもつ。同様の管理組合および管理組合団体は、全国に多数にのぼる。そういう団体、区分所有者の声をよく聴き、それを反映できる検討会こそ求められていることを強調したい。


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