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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

388号 監事の役割にいっそうの理解を

あるマンション管理組合の理事長が「監事が理事会に相談もせず、文書をつくり発表した。けしからん」と怒っているとの話を聞いて、驚いた。監事は、総会で区分所有者から選ばれ、理事会とは全く別の立場にあるから、理事会から何の制約も受けないのは当然のことだ。その基本を理事長の立場にある人が分かっていないのは、たいへん残念だ。

そこで改めて、監事の役割をのべたい。監事は、管理組合の業務と会計が、法律、管理規約と細則および総会の決定に沿って正しく処理されているかどうかをチェックする役割をもつ。したがって、チェックされる理事会が監事の見解表明を阻止しようとするなどは論外である。もちろん、監事といえども万能ではないし、偏ったり、誤ったりすることもありうるので、監事の指摘に従わないことも自由である。そのばあい理事会は、なぜ監事の指摘に従えないかを公にすることが望ましい。

監事は基本的には、自分が選ばれた総会にたいし、業務と会計が適正に行なわれているかどうかを報告する任務をもつ。監事会はなく、監事一人ひとりが独立して監査業務を行なうもので、監事同士の意見が別々で、違ってもかまわない。また監事は、総会にだけでなく、毎月の理事会などで監事の任務の範囲で気づいた点、改善すべき点を指摘するのも、その業務に含まれているといってよい。

理事長のなかには、ワンマン的でだれの意見も聞かず、傲慢な態度をとる人も時にいるが、せめて監事の意見や指摘には、一歩引きさがって耳を傾けてみる必要がある。

さらに、監事が理事会の業務を少しも手伝ってくれないと非難する声も方々にある。管理組合に人手が足りない点は分かるが、そもそも監事は、区分所有法の法人規定の部分に「理事や管理組合の従業員との兼務禁止」が定められているように、業務をしてはならないのである。なぜなら、手伝った業務で規約などに反する事態が生じたときに、その業務をチェックする監事本来の業務ができなくなるからである。(論説委員会)


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