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マンションの一人暮らしを見守る

超高齢化社会で、団地・マンションに、単身世帯、おおくは高齢者の一人住まいが目立つ。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(都道府県別推計)」によると、2035年には、高齢世帯(65歳以上)に占める単独世帯の割合は、山形県を除き、46都道府県で30%以上となり、9都道府県では40%を超える。

団地・マンションでも、この傾向は同様とみられ、とりわけ高経年団地が集中する首都圏では、単独世帯の急増にどう対処するか、管理組合、自治会は、対応を迫られる。というより、現実にせまられているといっていい。横浜市内のある高経年マンションでは、世帯の20%が、一人住まいで、地域包括センターと連携を取りはじめた。女性の一人暮らしの比率が多いのが特徴という。

東京都町田市の藤の台団地 (旧公団分譲、賃貸3435戸)では、4年前から、住民のボランティアが、見守りネットワークを組織、20数名のボランティアが、月一度、高齢世帯の訪問活動を始めている。70歳以上の高齢者96名が、登録され、ボランティアの訪問を待っている。その登録者の7~8割ほどが一人暮らしだ。当初、訪問時間は5分だけ、元気な姿を確認したら、失礼すると決めていたが、高齢者、とりわけ一人暮らしの高齢者は、ボランティアの訪問を待ち望んでいて、話しかけてくる。1時間以上になることもある。たいていの世帯には、ヘルパーが週に2,3回、訪問するが、同じ団地に住むという安心感のせいかボランティアを離さない、という。4年前にはじめた活動だが、高齢者の健康状態は、短期間にめまぐるしく変化するのに驚くという。あんな元気なひとがひとりで亡くなっていたというケースもあった。3階に住んでいて、1階に出るまで30分もかかるひともいる。訪問のたびに、健康状態などを細かく日誌に記録する。

高齢者、とりわけ一人暮らしの高齢者にとって、こころのよりどころなのかもしれない。

ご主人がなくなった、息子がいるが連絡してこない、など事情は様々だが、高齢者にとって、見守ってくれるボランティアがいてくれることが、救いになる。

熱意を込めて対応するボランティアも、開設以来、辞めた人はほとんどいない。

単独世帯は、地域から遊離してしまうことが、社会的問題とされるが、藤の台団地の見守り支援ネットワーク活動は、それに歯止めをかける活動のひとつとして定着した。(日住協論説委員会)


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