NPO日住協|特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会 > 396号 マンションに安全に住みたい

論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

396号 マンションに安全に住みたい

大がかりな手抜き工事

旧住宅・都市整備公団(公団)が1989年〜93年に分譲した多摩のマンション。1回目の大規模修繕工事に着手した際に、鉄筋が設計よりも少なく、コンクリートの流し込み不足などの大きな手抜き工事が判明。当該マンションでは雨漏りなどの問題が居住者から指摘されていたが、公団は対応しなかった。躯体の中にはジュースの缶やボロ布などがあり、職人の悪質行為と監理者等の杜撰な監理が常態化していた。欠陥のあったマンションは46棟919戸。これまでに20棟の建替えを行った。最初に建てた費用は200億円だったが、建替えや改修には600億円を超える費用がかかっている。

耐震偽装

姉歯氏による耐震偽装事件。構造設計を安く請け負い、それを監査すべき組織は計算ミスをし偽装を見抜けなかった。震度5強程度で倒壊する危険性もあり、建替えを余儀なくされ、二重ローンを組まざるをえなくなった人も多い。

基礎杭が役割を果たしていない

一昨年表面化したのが、基礎杭が支持基盤に未到達、杭はその役割を果たしていない横浜のマンションだ。数年前から管理組合は、「建物が傾いている」とディベロッパーに訴えたが「問題はない」という回答。管理組合が専門家に調査依頼し、先述の問題が明らかになった。

免震ゴムの改ざん

東洋ゴム工業で起きた、免震ゴムの性能偽装。性能は同社の装置で測るのだが、必要な性能が出ていないので改ざんをし続けた。地震の揺れをゴムが吸収するが、病院、商業ビル、マンションも偽装免震ゴムを使用。不安がいっぱいだ。設計、製造、品質保証の社員が偽装に加担、組織ぐるみの犯罪である。

企業は倫理教育を継続的に行なおう

偽装や手抜き工事によって、マンション購入者は安心して住むことができない。企業ブランドは毀損する。東洋ゴム工業の問題は、内部通報によって明白になった。心をいためている社員もいることに、少しだけほっとする。

企業は倫理教育等をコストと捉え抑制する傾向にあるが、職業倫理についての継続的な教育・啓発訓練を実施し、これを企業の理念や技術とリンクさせ、マンションの基本である安全を確保することを貫いてほしい。管理組合も万が一に備えて、連携を深めておこう。(NPO日住協論説委員会)


関連記事