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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

346号 大震災とコミュニティづくりの重要性

東日本大震災をうけて、マンション管理組合のなかで、防災マニュアルづくりや防災用品の整備、災害時に支援の必要な居住者の名簿作成などにつとめているところも多い。それらとともに、コミュニティづくりの重要性が今回あらためて浮き彫りになった。

3.11の東北地方太平洋沖地震の翌日早暁に長野県栄村では、震度6強1回、6弱2回の激震にあいついで襲われた。しかし、多くの倒壊家屋がありながら、死者を出さなかった。それには、まだ暗い中で自宅にとどまる高齢者を誘導し、避難させたコミュニティの機能があった。何よりも効果があったのは、近所の誰がまだ避難してきていないかというのが、皆にすぐに分っていたことだ。東北三県でも、大地震と大津波のなかで、同様の地域の人びとによる助け合いの協力の話が、ひじょうに数多く伝えられている。震災後の避難所や仮設住宅の生活でも、コミュニティの維持の重要性が再三強調されているところである。

たしかに、これらのコミュニティは、何世代もの期間にわたって形成されてきた集落に基礎をおいて、強固なつながりがあり、お互いに居住者の家族構成や生活状態を熟知し合っている。それが、自然にいざというさいの協力関係を形づくる。

これに対して、マンション管理組合の場合は、見ず知らずの人間が寄り集まったもので、長くてもせいぜい数十年の歴史しかない。したがって、つねに意識的にコミュニティ形成の努力をつづけていく必要がある。災害の緊急時には、とっさの行動が求められるから、本当にコミュニティが成熟しているかどうかがためされる。管理組合の総会や防災訓練、共同清掃など管理そのものにかかわる行事や、夏祭り、餅つきなど親睦行事を通じて、今こそ、いざというときのためにもコミュニティの充実、強化をはかっていきたいものである。

(論説委員会)


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