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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

348号 設計監理方式と共通仕様

予算内に押し込むだけの引き算

大規模修繕工事などの「共通仕様」についての理解が不足している感があるようなので、指摘しておきたい。

ある外壁改修会社の社長さんが書いた本を購入し、読んだ。

A管理組合から相談があった。他業者からの見積りよりも切り詰めたいという。そこで社長さんは仕様を見て、必要のないと思われる工事の除外を提案した、するとかなり安くなり、A管理組合は喜んだという。

しかし、本当にその工事が余分なのか、誰が判断をするのだろうか。管理組合は、この場合安さにだけ魅力を感じていて、何をどのようにするか、そのことによって、当該マンションの価値がどうなるのかを考えているとは思えない。しかし、そのような管理組合に対して、社長さんは見事にその心を読みきっての予算切り詰め提案なのだ。つまり、ある一定の金額にするための引き算を行ったに過ぎない。

共通仕様の必要性

そこには「共通仕様」という概念が双方になく、夫々の業者が夫々の仕様を提案し、それを管理組合が受け入れているという事実である。これでは、何をどのように、何のためにその工事を行うかが不明である。施主である管理組合は、バラツキのある仕様を比較検討することは不可能である。

件の社長さんは、不要不急の工事はやらないと言うが、そんなことは当たり前である。

そこで設計監理方式が求められるのだ。設計監理会社は管理組合の意向に沿って仕様を整え、目的達成のための提案もする。つまり、管理組合側に立脚した仕様作成を使命としている。費用をただ安くあげるということを第一としているわけではない。もちろん、一定の予算内で精一杯の努力をするのは当然である。

管理組合は、大規模修繕工事などでは「共通仕様」をつくることを前提にした設計監理方式の導入をはかることによって、自管理組合にとって大きなメリットとなることを知ってほしい。

(論説委員会)


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