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406号 熊本地震、遅れる被災マンション復興

熊本地震、遅れる被災マンション復興

1階の駐車場がつぶれ、7階建てのマンションが、飴のように曲り、ゆがむ。ピロティ形式で、一階の柱が座屈し、コンクリートがバラバラになった。熊本市中央区の表通り沿いのマンション。

4月14日・16日の熊本地震。熊本市、益城町、南阿蘇村などで住宅7千棟が全壊、半壊・一部損が計12万戸と甚大な被害を受けた。土砂崩れ、土石流なども発生、災害救助法も指定された。その中で、マンションの被災は、隠れた存在にある。全国マンション管理組合連合会、地元の熊本県マンション管理組合連合会(熊管連)が、被災者からの相談を受けながら、少しづつマンション被災の状況をつかんできた。5月14.15日には、熊本市内で被災マンション相談会を開いた。管理組合が200組合ほど、相談者は380人、会場は満員になった。マンション問題研究会の弁護士、全管連加盟団体理事などが相談に応じたが、相談の中から、深刻な事例がつぎつぎと判明した。大きく傾いた棟、柱。梁など主要構造部の損傷、棟と棟をつなぐエキスパンションジョイントの損傷、敷地の沈下などだ。中には、180戸の高層マンションで余震の恐怖で9割が避難した事例もあった。

相談の中で、地震後1カ月の5月14日の時点でマンションに、熊本市が罹災証明書を発行していないこともわかった。罹災証明は、その後の応急修理制度、固定資産税の減免など公的援助の申請,受給に欠かせない証明書だ、5年前の東北大震災で、仙台市では、3・11の地震発生後21日目に受付を始めている。

熊本市内にある850棟のマンションのうち、大規模損壊、半壊、一部損壊がどれだけあるか二カ月たった時点でも確実なデータが出されていない。これから、本格的な復興が始まらなければならないが、足場が立ち、クレーンが動く復興の現場はほとんどない。6月13日現在、減ったとはいえ6千人が避難、と報道されているが、余震におびえるマンション住民の避難も相当数含まれている。「災害は、いつも新しい顔をして現れる」といわれるが、震度7が2度も起き、余震が1500回を超える、熊本地震の復興も新しい手法が迫られるのではないか。
(NPO日住協論説委員会)


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