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411号 足場パイプ落下事故

足場パイプ落下、死亡事故を考える

作業員を守る下桟が、歩行者を直撃

10月14日、東京都港区六本木の投資型マンションで大規模修繕工事が終わり、足場の解体作業中の9階足場の一部鉄パイプ(長さ約1.8m、太さ約3㎝)が1本落下し、通行中の77歳の男性の頭部に刺さり、搬送された病院で間もなく死亡が確認された。一緒にいた奥さまに怪我はなかった。
落下したパイプは、下桟と呼ぶパイプで、布板(歩行足場)上部約30㎝辺りに設置され、作業員が誤って転落しないよう設置義務化されている。つまり足場自体の安全対策は、作業員の転落事故等を防ぐことを目的としている。

パイプは勝手に落下しない!

落下物が歩行者に直撃するのを防ぐための防護板は設置されていたが、解体した足場資材の荷下ろしのために、防護板が一部取り外されていた。まさに、そこにパイプが落下した。誘導員2人は通行人の誘導を行っていたが、誘導が適切だったのか、さらに、誘導員と解体の作業員のコミュニケーションは適切だったのか。現時点(11月15日)で原因はわかっていない。しかし、パイプは勝手に落下しない。パイプが外れないように両端には留め具が付いていたが、片方の留め具が外れていたとする発表もある。パイプを留め具で留めていなかったのではないかとも考えられている。

再発防止に取り組め!

多くの事故原因は、突き詰めるとヒューマンエラーによる。その理解から安全意識は育つ。自己を客観視するために、作業のひとつ一つを確認する指差呼唱は安全対策として有効であるが、慣れてくるとやらなくなる。
通行人の完全確保には、アーケード状の強固な防護策の設置が重要である。解体時は、一旦アーケードの屋根に資材を置き、誘導員とのコミュニケーションをとりながら、歩道に下ろすといった方法が必要である。
お亡くなりになった方のためにも原因を究明し、再発防止策を業界全体で取り組むことが求められる。
管理組合は、大規模修繕工事中の通行人への対策と居住者の安全のための教育(特に子供は必ず)を真剣に考えるきっかけにして戴きたい。

(NPO日住協論説委員会)


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