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349号 マンションの省エネを再考する  

3・11以来、東電福島第一原発事故による電力供給の縮小で、この夏、企業、公共施設などの節電がすっかり定着した。

マンションでも、開放廊下、階段室、集会室等の節電に努めているが、厚木リバーサイド住宅管理組合(199戸)の岡崎信道理事長が、共用部分の電力使用量と専有部分の使用量を比較,検証した。

自宅の電力使用料に、199倍すると、団地全体で91,540キロワット時(23年2月分)になった。共用部分の照明などと給水の増圧ポンプが2,556キロワット時(同)で、比率はなんと36:1となった。

当然といえば当然だが、マンションの省エネは、専有部分の省エネが決め手であることが確認された。同団地は、3-5階建てで、エレベーターがないので、その分、共用部分の電力使用量は少ないが、それにしてもその差は、歴然である。住宅のエネルギー消費量の構成比は、社団法人日本建材・住宅設備産業協会によると、暖房30%、冷房8%、給湯39%,照明11%,換気5%、厨房7%,となっている。つまり、冷暖房と給湯で、77%を占める。このうち、給湯は、電気、都市ガスによるが、機器メーカーのさらなる省エネ型の開発を待つしかない。一方、冷暖房は、電気、ガス、石油などによるが、居住者の考え方次第で、省エネは可能となる。ただし、節電だけでは限界がある。

例えば、マンションの省エネ効果を高めるには、外断熱、開口部サッシのペアガラス等の導入が挙げられる。サッシのペアガラス化は、欧米ではほとんど常識になっている。ペアガラスでない住戸を探すのはむずかしいくらいだ。

外断熱は、一部のマンションで導入されているが、まだ圧倒的に少数派だ。そのひとつ、八王子市のホームタウン南大沢(10棟、146戸)は、3年前、外断熱工事を実施している。築22年目だった。サッシもペアガラスとした。見学させてもらったが、居住者によると、「冬も夏も、冷暖房はほとんど使用しなくなった。冷蔵庫と言っていた北側の部屋でも寝られる」とその効果に、むしろ驚いていた。たまたま、国の助成が工事費の4分の一得られたのが大きかったが、省エネと環境改善を目指す大規模修繕ととらえれば、「安上がりといえる」と管理組合。外断熱以来、入居者の引っ越しがほとんどなくなったとされ、住民の定着を促した副次効果もあった。

外断熱とペアガラス化、当然だが、専有部分の居住環境に劇的効果をもたらした。省エネは、マンションの再生、長寿命化につながる。

(論説委員会)


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