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424号 民泊新法、なお多くの問題点

民泊新法については、民泊はマンション住民の生活環境を悪化させるものであり、「居住専用」の規約があれば民泊は許されないこと、そのうえで念押しのため理事会で「居住専用の規約のもとでは民泊は許可しない」との解釈を決議しておくこと、さらに心配であれば規約に「いわゆる民泊は禁止」の条文を追加すること、などを前月の当欄で論じた。

今回はそれにつづいて、民泊新法をめぐるその他の問題点についてのべたい。

第一は、そもそも民泊必要論の前提である海外観光客の増加にともなう宿泊施設の不足は本当に事実かという問題である。この間、日本中小ホテル旅館協同組合は「ホテル不足はない」との趣旨の見解を表明、民泊新法には否定的態度をとってキャンペーンをおこなっている。また、仮に施設不足が事実だとしても、何も住民生活に迷惑をかけるマンションや一般民家の「活用」ではなく、関係の中小ホテルや旅館の施設拡大への支援策こそ行政当局としておこなうべき施策ではないだろうか。

第二は、常識にはずれた解釈を、国交省など関係当局がマンション管理組合に押し付けようとしていることである。居住専用の規定があればその住戸はその住まいは営業行為に使用できないのが当然である。多くのマンションでは短時間のおけいこごとの教室や塾などの使用にも許可申請をして許否を決めている。それを居住者が不在のまま宿舎としてもちいる営業としての民泊が「居住専用」にあてはまらないのは常識である。政府が「住居としての使用の範囲」などと勝手に決める権限などまったくありえない。

第三は、規約の改正を急がせる理由の一つとして「いったんマンション内で一戸でも民泊の届出が実行されたら、以後はその当事者の承諾を得なければ禁止できない」かのような宣伝をしていることである。許可を得て営業をしていた商店の事後禁止ならともかく、無許可のまま当局に実施の申請をしただけで、当事者に拒否権が生ずることはない。そのことは、ペット飼育を禁止する規定の新設は当該飼育者に対する特別の影響に当たらないとした判例(1994.8.4、東京高裁)に照らしても明らかである。

(NPO日住協論説委員会)


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