論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

425号 管理会社の不正と自立管理の重要性

気づいた時は遅かった

築13年、27戸のマンションのAさんは1年半ほど前に入居、その時から理事会と総会が開催されていないということが耳に入ってきた。その時点では確かめようがなかったので事実の把握に努めていたが、実際に総会の招集が1年半の間にないことを確認した。Aさんは管理会社の担当者と会い、前もって伝えておいた決算書類などを見せるように迫ったところ、「サーバーが壊れてデータがふっ飛んだ」との説明があった。なんとも都合のよい言い訳ではないか。バックアップは当たり前であり、決算書類は紙で残っているはずである。後日担当者から、修繕積立金等は社長が使い込んでいるとの説明があった。

お任せ管理は問題が多い

管理会社の責任は重いが、管理会社に完全にお任せしている管理組合にも問題が多い。印鑑と通帳を管理会社に預けており、毎月の管理報告はおろか、年次決算も求めていない。築後13年間、設立総会以降、総会は1回開催されただけ。総会がないので理事はいないし理事会もない。しかし管理会社から指名を受けた区分所有者が、名ばかりの理事長と副理事長に就いているのだが極めて軽率な行為である。管理会社はスキあらばと、管理組合のお金を狙っているのは本件で明らかであるが、管理組合のポケットの中身を知っているのだから当然か。管理組合は、管理会社の掌の上に乗せられコントロールされていることにも気づいていない。

自立的な思考と行動

なぜこのようなことになるのか、である。管理会社の確信的な犯罪的行為は、管理組合の甘さを見ながら進める。逆に言えば、管理組合が主体的・自立的に自分たちのマンションを守れば牽制機能が働き、管理会社に不正のスキを与えることはなかった。管理をすべて委託するということではなく、自分たちで考えて行動する。その一部を委託するのである。委託している部分は毎月の理事会でしっかりと報告させ、間違いがあれば指摘すればよい。間違いがわかるということは自立管理ができているということである。
スキを狙う管理会社と付き合う最上の策は、管理組合の自主的・自立的な思考と行動であり、それが自立管理である。

(NPO日住協論説委員会)

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