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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

350号 理事会をなくすなんて………

区分所有者が管理組合をつくって理事会と理事長を選出し、マンション管理の方針を決め自立的に運営する。これがわが国のマンション数十年の歴史のなかから確立されてきた方式である。国交省のマンションの管理適正化指針でも推奨し、自立的運営への区分所有者の役割を重視しているところである。

NPO日住協は、ながくこの理事会・理事長方式を推進し、管理組合の自立的運営を援助してきた。いま一部で推進され、標準管理規約化が企図されている、管理会社を管理者とする「第三者管理者」方式は、この現状に逆行し、区分所有者の利益に反するものであり、NPO日住協は、絶対にこれに反対であることをあらためて明確にしておきたい。

「第三者管理者」方式の推進者は、区分所有者の高齢化で管理組合の役員に就任できる者が減少しているなどの状況を解決するためなどと、いかにも区分所有者のためのような装いがされている。しかし、何よりも、推進の先頭にたつのが高層住宅管理業協会であり、その作成した規約案は、理事会をなくし、「第三者管理者」として管理会社のみを想定していることに、その意図は明白に示されている。

管理会社の市場と利益の増大が目的であることはいうまでもない。その行く末は、力のある王様を求めた蛙たちに、神様が鶴を与えた結果、蛙が全部食われてしまったとのイソップの寓話のようなものだ。

そもそも管理会社が「第三者管理者」となれば、マンションの管理契約は管理者と管理会社が結ぶわけだから、双方代理、自己取引であり、区分所有者の意思や利益に反した契約になる危険は目に見えている。

また、区分所有者は、年一回の総会(集会)で、報告を受け、質問の機会が与えられるが、総会の主催者は管理者=管理会社であるため、意見の反映はきわめて限られてくる。
私たちは、理事会をなくす「第三者管理者」方式推進の動きに強く反対するとともに、国と自治体は、マンション管理適正化法と管理適正化指針の精神を生かし、関係のマンション管理組合への援助施策にもっと力と予算を入れ、実質化することを強く求める。

(論説委員会)


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