論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

429号 腐ったリンゴは取り除く 管理組合を食い物にするな!

財務省による公文書の捏造や防衛省の日報隠し、リニア新幹線のゼネコン談合など、国民を欺く不正が続発だ。管理組合を騙す不適切コンサルタント問題も昨年浮上、悪質な設計コンサルタント(悪質コンサル)が中心になった大規模修繕工事の価格操作で、管理組合に必要以上の費用負担をさせていることが、良心的なコンサルによって明らかにされた。

管理組合の利益を守る

コンサルタントの役割は、大規模修繕工事の改修設計、管理組合の施工会社選定へのアドバイス、工事開始後の施工状況の管理であって、不必要な工事を勧めることはない。もちろん、最近特に多いタイルの浮きといった緊急かつ重大な問題には速やかに対応するよう助言し、場合によってはディベロッパー等と協議をして管理組合の利益を守る。

修繕積立金を食い物に

不正は、悪質コンサルと同調する施工会社によって成立する。施工会社選定の際、談合をし、リベートやキックバックの要求・授受が当たり前となっている。要求に応える施工会社もアウトだ。反対に施工会社が持ちかけている例もあり、管理組合理事等がリベートを要求する例もある。悪質コンサルの要求は工事費の数%から10数%。その分、割高な工事費になる。この数字は要求された施工会社による非常に生々しい具体的情報である。修繕積立金が、まさに食い物にされている。

奇妙な4団体の協議会

この問題が明るみに出たのち国交省は、マンション計画修繕施工協会、日本マンション管理士会連合会、マンション管理業協会、全国マンション管理組合連合会(全管連)のマンション管理関係4団体に呼びかけ、マンションの改修工事の不適切な取引をなくすため、「マンション計画修繕工事における適正取引推進協議会」が昨年4月に設立された。これを受けて、一般社団法人マンション改修設計コンサルタント協会(MCA)が設立された。設立趣意には「業界において不良不適格コンサルタントの存在が指摘されており、これらの是正が業界の急務となっております」との記載がある。

けじめなしに前進はない

MCA参加企業は、「是正が急務」と他人事のようにいうが、真黒からグレーまで、不正に手を染めていなかったのだろうか。そもそも悪質コンサルとは一体誰なのか。少なくとも何がどのように問題だったのか。当事者たちがその点について説明と謝罪をしなければ、是正の道は保障されない。なお、それにしてもNPO日住協も構成団体である全管連がMCA設立に一部でも関与したことは間違いであろう。けじめをさせる機会はあったのに、それなくして不良品を良品と認めた形になったのは重大である。不良不適格な品性をそのままにして上着だけを新しくしてもダメである。腐ったリンゴは早めに取り除きたい。

(NPO日住協論説委員会)

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