論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

430号 合意形成をすすめるために ~情報公開と民主主義~

三本の矢

マンションの管理を円滑にすすめるうえで、委託管理の場合にせよ自主管理の場合にせよ、組合員のあいだでの合意形成が決定的に重要である。毛利元就の三本の矢の故事を引用するまでもなく、構成メンバーの意思が一つにまとまっていることほど強いものはない。どのようにしてマンション管理組合内の合意形成をすすめたらよいかの基本をあらためてみておきたい。

情報公開

まず、理事会が考えていることや管理会社から示された提案やニュースなどの情報を、できるだけ詳しく正確に組合員に知らせることである。この部分は都合が悪いから発表しないでおこうなどと考えると結局は「決議の改ざん」みたいなことになりかねない。いいことも悪いことも管理組合ニュースや理事会報告など種々の伝達手段を活用して伝える。こういう理事会の姿勢がみんなでものを考える前提となる。

双方向で

管理組合では理事会が業務方針や実施計画を作成するのは出発点であって、最終的には総会で組合員による決議を受けて実行される。いくら優れた良い提案だったとしても、理事会が高い立場から組合員を説得するというような性格のものではない。あくまでも組合員全員が対等の立場で意見を出し合い、そのうえで本当の合意形成ができあがるのである。理事会には虚心に組合員の意見を聞き、汲みあげる努力が求められる。

民主主義

民主主義は多数決であると単純化してしまうのは不正確である。結論に達する前に、必ず討議が必要である。本当の合意形成は、いろいろな意見を、それぞれの根拠をふくめて議論し、説得し合って、意見がまとまっていくものだと考えられる。区分所有法は、集会で基本的な方針を決めるという直接民主主義の方式を基本としている。これを生かして、それぞれの管理組合での合意形成をいっそうすすめるようにしたいものである。

(NPO日住協論説委員会)

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