論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

432号 “悪質施工会社”の存在

見せかけのダンピング

「不適切コンサルタント問題は収束した」と思わせている人や団体があるが、むしろ、より深く水面下に入り込んでいる。今回は、不適切施工会社に触れたい。以下、不適切ではなく悪質と呼ぶ。
一部の施工会社の悪質事例を示す。設計監理方式での大規模修繕工事では、施工会社に見積り参加を促す。かなり低額な見積書を出す施工会社がある。だがそれは絶対に受注するための工作であり、いざ契約を交わし工事が始まると、あれをやるべきだ、これも必要だと修繕委員長を困らす。管理組合は受け入れざるを得ないと思い、当初予算以上の支出になる。施工会社による採算を度外視した投げ売り、つまりダンピングに見せかけ、実は元を回収する悪質ビジネスである。

手抜き工事の手口

別の件。工事が始まってから支出増につながる提案はしないが、旧態依然とした手抜き工事を行う。いくつか事例を紹介する。
玄関ドアなどの鉄部塗装が3回塗りと指定されていても、2回塗りで終わらせる。これは単純に33%の手抜きであり、その分、利益になる。
シールの打替えの手抜きもある。撤去するのは表面だけで、その表面を打替える。手間も材料費も極めて少ないので利益増になる。しかもシール打替え箇所はとても多い。
屋上のパラペット部分の確認しにくい部分や天端を金具で覆う場合など、防水塗装を行わない。これによって防水性能は脆弱になり、それが原因で漏水したマンションを確認している。

悪質施工会社だけではない

鉄部の三回塗りを示すために、それぞれの塗料の色を変えている大手施工会社もある。手抜きはしません、という静かなアピールである。「管理組合は、塗装の缶の数を数えればよい」と、その会社の役員氏は言う。誤魔かされないためには、管理組合もそれなりの知識と行動が不可欠なのだ。
表面的にきれいに見せる技術は、顧客志向に背いた犯罪的行為である。隠れて見えない所にこそよい仕事をする、そのような施工会社を大規模修繕工事のパートナーとして選びたい。

(NPO日住協論説委員会)

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