論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

435号 コンプライアンス(法令遵守)と倫理

ゴーン氏よ、あなたもか!

日産をV字回復させた立役者のカルロス・ゴーン氏が、コンプライアンスを犯した。経営トップの似た行為は世界中で行われている。彼らの行為には二つの形態がある。赤字を隠すための粉飾決算をして健全経営を見せかけること。もう一つはお金の流用等である。これらはたいてい表裏一体となっている。
それらを完遂するためにトップは自らを棚に上げ、社員には厳しい目標を押し付ける。絶対命令には逆らえず、現場では固定費削減から人手不足に陥り、さまざまな悪影響をもたらす。
神戸製鋼、日産、スバル、タカタ、日立化成など、日本のメーカーの経営劣化が著しい。品質を担保するという基本原則に対するずさんさがどんどん表面化している。全てが内部告発である。会社の不正に対し、良心の呵責に耐えられない社員がいるのがせめてもの救いか。

日住協誕生に旧公団の瑕疵

マンションに関する品質問題も多い。耐震偽装、横浜の杭問題や直近では制振震ダンパー偽装はマンション居住者を不安に陥れている。NPO日住協が誕生したのは、50年前のベランダの落下や雨漏りなどの旧日本住宅公団の瑕疵問題が発端であった。
マンションの場合、瑕疵等を明らかにすると資産価値が下がるということで、公表を控える。しかし、後でわかることこそ、当該マンションの信用がガタ落ちになる可能性が高い。メーカーは第三者に騒がれないように密かに進めたがる。NPO日住協の誕生は、真逆であり、被害団地が一体となって旧公団とたたかった。

逃げない・隠さない・嘘いわない

かつて三菱自動車やシートベルトのタカタなどは事実を真摯に捉えず、人の噂も七十五日とばかり、トップが顔隠して尻隠さずを貫こうとした。日産も品質確認を、資格がない社員にさせていた問題で、ゴーン氏は一切知らぬ顔を通した。良い報告の時はマスコミの前に出るが、そうでないときは知らん顔。しかし、そんな場面にこそしっかりと顔を見せ、納得のいく説明をするのがトップである。それによって評価が上がるのが、最近の社会である。
トップの態度と行動こそが、社員にコンプライアンスと倫理への強い誘因となる。
企業だけではなく、管理組合も同様であることを心したい。

(NPO日住協論説委員会)

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