論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

437号 区分所有法と標準管理規約との関係をどうみる

区分所有法と標準管理規約との間に「矛盾がある」とか「相反する体系だ」などという誤解が一部にある。国交省の作成した標準管理規約は、マンション管理組合が規約を作成したり改めたりするさいの参考となるようつくられた。その内容は、区分所有法のもとで、管理組合がどのような管理・運営をすればよいかを具体化して示したものである。したがって、あくまでも区分所有法に準拠したものであることはいうまでもない。

いわゆる「誤解」の内容は、主として、管理の担当者について「区分所有法は管理者制度」をとっており、「標準管理規約は理事会制度」をとっているという見方である。しかし、事実はそうではない。区分所有法には1962(昭和37)年制定当時から管理者についての規定はあるが、「置くことができる」のであって、義務化はしていないのである。また、管理者に専門資格を求めるなどの決まりもいっさい規定されていない。

周知のようにマンションの規模は二戸から千戸を超える場合まで、まちまちであり、利用形態も多種多様である。その全てに対応するのが区分所有法だから、管理の形態も条件に応じて自由に選べるよう幅のある規定となっている。管理者もおらず規約さえない小規模のものから、管理組合・理事長の形態、そして法人化まで多様で、いずれも法に合致している。標準管理規約はそのなかのいちばん普通の形をモデル化したにすぎない。

したがって区分所有法が管理者制度をとっているなどというのは、はなはだしい誤解である。1983(昭和58)年の改正では管理組合法人の制度が導入された。「法には法人の章を除いては管理組合の文字はない」などという人がいる。これも形式論理の極みであって、法は第3条の「区分所有者の団体」の一般型を管理組合と判断し、管理組合法人をその典型として位置づけたのである。だから例えば名簿作成の義務規定などは法人の章にしかないが、一般の管理組合も当然それに従うべきで、現にそうなっている。むしろ現行の区分所有法は、管理組合方式を「区分所有者の団体」の管理の一般的な形式だと確認したというのが適切だろう。

(NPO日住協論説委員会)

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