論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

439号 マンションの2040年問題

昨年6月、総務省の有識者研究会が中間報告した2040年問題。今から20年後の2040年にピークに達する人口減社会と高齢化問題を問いかけ、大きな話題になった。
先日、厚木市の会員管理組合集会所で、3カ月に一度開かれる日住協会員組合と近隣マンション管理組合の勉強会で、この問題を取り上げた。問題を直感的に理解するには自分の年齢に20歳を足してみて、その年、自分はどうなって、住む団地・マンション、地域の環境はどうなるかを想像してみてください、と問いかけた。
「98歳になる、健康ならいいが、この世にいないかな。団地も70歳と超高経年になる。大規模修繕を繰り返すための積立金は順調に集まるだろうか」と表情を曇らせる参加者もいた。戦後世代のもっとも大きな人口の塊といわれる団塊の世代が2025年には全員75歳になり、2040年には高齢者の数が4000万人になる。そのころ、日本の人口は、1億人を切るという予測だから、高齢化社会そのものとされる。
今年50周年を迎える日住協も、昨年から今年にかけ築50年を迎えた団地が5組合ほどを数える。建物もそうだが、住民の高齢化で、80歳を超える住民は確実に増え、管理組合運営の参加は減る。高齢者は確実に増えたが、栄養と医療の向上で、元気な高齢者は増えていることも確かだ。100歳を超える住民は珍しくない。
それでも、80歳を超える住民に管理運営の中軸バッターとして活躍してもらうのは酷だ。しかし、得意な分野では生き生きとして活躍する高齢住民は確実に存在する。

気になるのは、特に団地で息子娘世代が、団地に見向きもせず、新築マンションをさっと購入して、団地におさらばするケースが一般化したことだ。親の世代にあり得なかった低金利時代で買いやすくなったことと旧世代の団地、マションに比べサッシ、窓ガラスなどの性能の向上、床暖房など設備の向上も親離れを加速している。この傾向はこれからも変わらないのでは、と多摩ニュータウンの不動産会社の女性社長は断言する。
2040年問題を考える上で、注意したいのは、人口の減少だけでなく、マンションでいえば、増大する空き家問題、管理運営の在り方の変化、増える認知症患者など多くの問題が迫ってくることだ。しかし、2040年問題が今すぐにやってくると早合点して、慌てることは避けたい。対応は徐々に腰を据えて取り組みたい。

(NPO日住協論説委員会)

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