論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

442号 小規模マンションへの支援にも全力 ~NPO日住協50周年~

厚木市の小田急線本厚木駅から徒歩10分のAマンション(60戸)。築53年。昨年1月、孤独死があった。現役の管理組合理事だった。住民に衝撃を与えた。高齢化が著しく、管理組合の役員のなり手不足が常態で、今年も6人の役員を選ぶのがやっとだった。

15年前、A マンションの理事たちが、大規模修繕のやり方がわからない、と当時、近くの団地に住む日住協理事でもある女性理事長に相談する機会を得、大規模修繕のやり方、理事会運営のイロハを女性理事長のもとに学びに通った。その理事たちを中心にマンション運営の立て直しが動き出した。設計コンサルタントも日住協の技術協力者を紹介、大規模修繕、階段室改修、北側窓ガラスの交換、玄関ドアの交換などを成功させる。

しかし、それもつかの間、高齢化に加え、住民の3分1がマンションから離れ、外部居住者になる。そうなると益々理事会の役員のなり手が減り、70歳後半~80歳台の理事が並ぶ。もう限界、と元理事長。

このままでは、管理不全マンションになる、とみた日住協の神奈川県支部がこの6月から支援に乗り出すことを決め、先日支部理事4名が理事らと会合を持った。役員のなり手がいない問題をどうするか、3時間近く論議。数年前に亡くなった区分所有者の遺族が相続放棄したままになっている住戸の解決に当面、乗り出すほか、定数6の理事を減らして対応できるかどうか、マンション内の敷地の整備、花壇づくりなど活性化策も検討した。

部屋は狭いが、駅から徒歩圏、マンションの建築は旧公団にならい、コンクリートはダム工事が本業のゼネコン施工の強固な造りで100年はもつ、周辺には医療施設も整っている―というプラス面を強調すれば買い手は現れるのではないか、など前向きの論議をした。もともと自主管理だが、この路線は厳守、自ら考え、工夫する自立管理の道を歩めば立ち直れるーというのが支部理事の一致した意見だ。

日住協は現在の会員の平均戸数は240戸。全国のマンション管理組合団体の中でも特異ともいえる大規模団地・マンションが多数を占める中で、60戸のマンションをどう蘇らせるか。50周年を迎える日住協が、小規模マンションを支える見本を示したい。

Related posts:

  1. 441号 「外壁タイル落下」から考える品質問題 ~NPO日住協50周年~