論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

443号 管理組合の自立めざし、相談・交流・支援を続ける ~NPO日住協50周年~

『マンションの終活を考える』との標題の本が発行されている。通常の「所有」より制約の多い「区分所有」を解消するさいの手続などについての論考を集めたものだ。この課題自身は改めて別に扱う機会を必要とするため、ここでは論じない。しかし、本の内容で特に気になったのは、肝心のマンションの主人公である区分所有者と管理組合には判断・処理能力が不足するので、マンション区分所有関係の解消ができる仕組みや法制を整備して、第三者の手で「終活」をすすめようという傾向の論調が多いことである。

一例をあげると、この本の最後に編著者の二人と戎正晴弁護士とが座談会を行なっている。戎弁護士は標準管理規約にふくまれている第三者管理の制度を指して「専門家を活用するとは、マンションの後見制度なのです」と説明し、管理組合・区分所有者を判断能力の欠ける「被後見人」扱いをしている。さらに編著者の一人が、そうした動きは「日本のマンションが長年培ってきた、みんなで参加してみんなで自主的に、自主性をもって責任を持って物事を決めるという体制を失っていきそうな気がする」と危惧を表明したことに対し、戎弁護士は「意思決定ができないところに自主性もへったくれもないでしょう」と一蹴している。

こうしたマンション管理組合や区分所有者の自主性や自立性を捨て去ろうとする第三者管理の強引な押し付けの動きはきわめて由々しいといわなければならない。これとは逆にNPO日住協の50年の歴史は、まさに管理組合がどうやって自主性、自立性を確保するかをめざして、管理組合が連絡協議会をつくり、互いに協力をしながら進んできたことを示している。

現在のNPO日住協の活動は、管理組合からなどの相談業務、管理組合運営や各種工事実施の見学、経験交流会の実施、それに個々の管理組合にたいする支援活動を中心としている。いずれをとってもNPO日住協が管理組合の活動を肩代わりするのではなく、管理組合が自主的に判断し、自立的に活動を発展させていけるような助言・援助を行なうことを旨としている。今後とも、この方向で管理組合とともに考え、ともに進みながら、管理組合の自立の発展のために努力を重ねていきたい。

(NPO日住協論説委員会)

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