論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

444号 構造スリットの施工ミスで建物はどうなるか!

構造スリットの目的

「構造スリット」は、1995年の阪神・淡路大震災を教訓として、地震の揺れで建物が損傷するのを防ぐため、柱と壁などの間に隙間をつくり地震の衝撃を逃がす「あそび」を利用した耐震構造で、にマンションなど鉄筋コンクリートの多くの建物で導入されている。
ところが東日本大震災以降、全国のマンションで「構造スリット」が設計通りに施工されていなかったり、隙間に入れる緩衝材を押しつぶすようにコンクリートが流し込まれている施工ミスが、全国のマンションで相次いで見つかっていたことが判明している。

構造スリットの施工ミスで起こり得ること

「構造スリット」はコンクリートの中にあるので外からは見えない。構造スリットの施工ミスのマンションでは、地震の揺れを逃すことができないので、柱などが損傷するなど、建物の強度が低下し大地震では場合によっては倒壊などにつながる恐れもあるとする専門家の意見もある。地震によって被害が出ないと発覚しないケースが考えられ、「こうしたミスは多くのマンションで潜在化している可能性がある」と指摘する専門家もいる。

ミスを認めて補修工事を実施

そのような中、管理組合が専門家に調査を依頼し、ミスを発見するケースも出てきている。
大手不動産会社が販売した愛知県内のマンションではことし1月、「構造スリット」の施工ミスによって柱の一部が欠損していたことが分かり、会社側がミスを認めて住民側に謝罪。その後、補修工事が行われた。

管理組合は調査に向けた取り組みを

構造スリットの施工ミスは、多くのマンションで潜在化しているのではないかとの観測もある。「構造スリット」が設計通りに施工されていない場合には建築基準法に抵触するが、外観からはわからないので、知らぬ存ぜぬを決め込む販売会社等もあるから、阪神・淡路大震災以降の新築マンションでは、管理組合が積極的に調査しないと施工ミスは発覚しない。調査によって安心を獲得しようではないか。杞憂に終わるかもしれないが、それも安心である。

(NPO日住協論説委員会)

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