論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

448号 タワーマンション水害対策、国も対応策検討へ

この秋の19号台風では、首都圏のマンションに豪雨による被害が多く出た。被害の出たマンションを確認しようと現場を歩いた。マスコミに大きく報じられた川崎・武蔵小杉の47階のタワーマンション。現場は、外形的には被害らしい被害は見えないが、地下3階の電気設備の水没で、全階が停電、エレベーターも停止した。大型の発電機が急遽、玄関前のアプローチに置かれフル稼働、電力は復旧しているようだったが、時折り出入りする住民の表情に疲労の色が濃かった。超高層のエレベータ―停止は、3・11の東北大震災で仙台市内に例があるが、一度降りたら、高齢の住民は上がることはゼロに近いといわれる。

近くの多摩川につながる排水管が、多摩川の水位が上がり、逆流したのが原因とされている。住民には予想もできない事態だった。

超高層マンションにとって水害は無縁とみられただけに、ショックで転居したいと漏らす住民も出ているという。

タワーマンション以外にも、エレベーターホールが水浸しになった被害も続出している。 エレベーターは動いたが、不安で外出もできなかったというマンション住民も。

東京・世田谷の二子玉川の多摩川べりの高層マンションでは、溢水した濁流が地下階に流れ込み、泥だらけになった店舗もあった。貴重な機器が使えなくなり、被害は何千万円になるか見当がつかないと、漏らす店舗。

そうした被害を受け、11月末、国交省と経産省は「建築物における電気設備の在り方に関する検討会」を開いた。武蔵小杉のタワーマンションの浸水被害を教訓として、高層マンションやオフィスビルを対象とした浸水対策のガイドラインを2020年3月までに作成するとしている。

タワーマンションの防災対策については、未知な点も多いとされ、管理組合も不安を抱える。これまで、地震、火災対策については一定の研究成果を得た、という研究者の指摘もあるが、水害対策は盲点だった。例えばタワーマンションによくみられる住民の生活に欠かせない地下階のショッピングセンターの水害対策なども併せてガイドラインに追加すべきだ。

(NPO日住協論説委員会)

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