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352号 空文化させまい管理適正化指針

平成13年4月に、国交省告示として示された「マンションの適正化に関する指針」。マンション居住者が増え、一方で高経年マンションの急増時代をにらみマンション管理組合運営、マンションの維持管理についての考えを示したもので、お役所の出した指針としては、その的確な指摘で、マンション管理のバイブルともいうべき良心的な指針と評価されてきた。

一部を紹介すると、管理組合については、「マンションの区分所有者等の意見が十分に反映されるよう、長期的な見通しに立って、適正な運営を行うことが重要である」と指摘。

また、「管理組合を構成するマンションの区分所有者等は、管理組合の一員としての役割を十分認識して、管理組合の運営に関心を持ち、積極的に参加する等、その役割を適切に果たすよう努める必要がある」と区分所有者への管理組合運営への参加を促している。その管理組合の運営については、「マンションの区分所有者等の全員が参加し、その意見を反映することにより成り立つものである。そのため、管理組合の運営は、情報の開示、運営の透明化等、開かれた民主的なものとする必要がある」と定めている。

この指針を出した国交省は、平成24年早々、マンションの管理を管理会社等の第三者に委託する第三者管理者方式を本格的に検討する諮問委員会等を、発足させると伝えられている。

この第三者管理者方式は、すでに一部管理会社が実行しているとされていたが、マンション情報の専門紙「マンションタイムズ」(12月1日)で、管理会社の大手、㈱合人社計画研究所の奥隆志社長が、トップ対談の中で、同社の第三者管理者方式を披露している。

「例えば理事5名、監事1名の標準的な管理組合で、総会を開いても出席者は役員に加え、数名の組合員程度です。それなら理事会を省いて総会で議題について審議すべきだ、との考えかたです。管理会社による管理者方式になれば、理事会の補助業務、理事長との打ち合わせに要する時間、経費が不要となり、管理コストを下げることが可能です。管理会社による管理者方式で、理事会費用は不要、管理委託料が下がるとなったら、普段理事会運営で悩んでいる管理組合は大抵耳を傾けてくれます。独断で判断すべきでない事柄や組合員の意見を募りたいような事案は書面投票(アンケート)によって、決定しています」

このような管理方式の採用は、まだ管理会社の一部とみられるが、これが広がれば、10年前に定められた管理適正化指針が、空文化されるといっていい。

(論説委員会)


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