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論談集合住宅管理新聞「アメニティ」論談

353号 「管理者」をめざす管理会社の意図は

国交省は、この春にも理事会をなくしてその代わりに管理者をおく「第三者管理者」方式を、現行の三つの標準管理規約のほかに標準化しようと検討をすすめている。

こうした制度の推進の理由として、役員のなり手のいない管理組合が増加しているとか、そもそも区分所有法をつくったときの考え方が、現在普及している管理組合が理事会と理事長を選出するやり方を想定していなかったなどを主張している。

しかし、いま実際に「第三者管理者」方式を推進しようとしている主体は、管理会社である。その目的は、管理会社やその関連企業が、単なる管理業務だけでなく大規模修繕などの市場拡大をめざすところにある。

管理組合の理事会・理事長方式は、わが国のマンション数十年の歴史のなかから生み出されてきた方式であり、法律制定当時の想定はともかく、現在は実情にあったものとして確立されている方式である。それにもかかわらず国交省が新たな方式を推進しようとしている態度は不可解といわねばならない。

四年前に「マンション管理の新たな枠組みづくり」として国交省を中心としたこの問題の調査検討報告書が出された。その内容をみても、管理組合が「第三者の活用」について「活用したい」としているのはわずか2・9%にすぎず、「活用も考えられる」を加えても全体の四分の一である。さらに同報告は、実際に第三者が管理者になっている管理組合に関する聞き取りでも問題点が多く、「理事会が機能している管理組合よりもさらにリスクを伴うことに注意が必要」としているほか、管理者管理方式の課題として、管理者名での契約、チェック機能の不存在、金銭等の財産の保護、管理コストなど多くの危険性を指摘している。

つまり、調査検討の結果自体が「第三者管理者」方式を安易に導入すべきでないことを示しているのである。それにもかかわらず、この方式に何かバラ色の展望があるような宣伝をつづけ、押しつけようとするのは、区分所有者の真の利益に反するものとして絶対に反対するものである。

(論説委員会)


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